Ethereum(イーサリアム)が本日リリース。マイニング、取引方法、今後の見通しについて。

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

Ethereum(イーサリアム、エセリウム)が本日リリースされた。

Versionが1.0となり、最初のブロックが生成されて、ネットワークが稼働した。Kraken, Gatecoin他、いくつかの取引所で、取引が開始された。

当初の数日の間は、ネットワークの利用(利用できるGASの量)に制限され、送金を含めてトランザクションが送れない。これは、マイナーが十分な数に達して、セキュリティが担保されるまでの処置で、ハッシュレートが十分に達したら制限が解除されるもようだ。

ソフトウェアのインストールや、プレセールで買ったEtherのロードなどは、下記に解説がある。

<公式ページ>

http://ethereum.gitbooks.io/frontier-guide/content/getting_a_client.html

<アップデート、ジェネシスブロックの生成、マイニングなど>

http://spacience.blogspot.com/2015/05/ethereum-gpu-mining-ubuntu-1404-lts.html

現在のところ、コマンドラインで動くツールのみが提供される。これは、リリースといってもまだバグなどの可能性があり、開発者向けという位置づけであるからだ。

イーサリアムは、分散型アプリケーションの開発プラットフォームであり、誰でもネットワークに利用料(Ether)を支払うことで利用できる。

<プロジェクト>

現在は、Etherumの公式ページの紹介がある9個のプロジェクトのほか、30個近いプロジェクトが立ち上がっている。

分散型予測市場、分散型IoT基盤、分散型Uber、分散型クラウドファンディング、モジュラー型製造機械、SCMトラッキングなど、野心的なプロジェクトがリストアップされている。

Auger(記事参照)は、Ethereumの特性をフルにいかした注目すべきプロジェクトで、キラーアプリになる可能性がある。Ethereumのリリースと同時にテスト版を開始し、次のEtheremのバージョンから本番稼働する。

<取引>

取引については、現在、取引ができるのは次の3つの取引所だ。

Getecoin -香港の取引所。規制対応とうたっており、取引には住所証明などのフル認証が必要

Kraken -日本語ページがあり日本語サポートも提供。日本のアカウントで取引可能

これらの取引所でBTC建てにて取引がおこなわれている。Karakenは、EUR、JPY、USDの3つの通貨についても取引ができる。

その他、中国のYunbiが取引対応する旨を発表している。

なお、プレセールでかったEtherを取引所に送るためには、コマンドラインのインターフェイスをインストールして、ウォレットをロード、その後送金コマンドを打つ。ハードルが高いので、GUIインターフェイスの登場が待ち望まれる。

<マイニング>

標準のコマンドラインインターフェイスであるgethにマイニング機能がビルトインされている。GPUまたは、GPUでマイニング可能だ。

Ethereumのハッシュ関数である、Dagger/Hashimotoは、ASICが開発できない仕様になっており、マイナーにとっては抜け駆けされない分、有利である。眠っていたGPUが復活するかもしれない。

Etherum側も、GPUでのマイニングを推奨している。

マイニング報酬は、1ブロックあたり、5ETHである。理論ブロックタイムは12秒である。

※間違いがありました。ブロック報酬は5ETHです。

マイニングの操作方法については、私の記事がそのまままだ使えるので参考にしてほしい。

ETHEREUMのマイニング方法

<今後の見通し>

Etherumの今後だが、段階的に次の段階に移行する。

現在のリリースは、Frontierで、開発者むけで、コマンドラインのインターフェイス、マイニング量は通常どおりでである*。マニュアルのチェックポイントを設けて、万が一フォークが起きた時に、マニュアルでロールバックする処置が取られる。

*以前のEthereumの公式発表から仕様が変更され、Frontierから通常どおりの5ETHのマイニング量が得られることと成りました。

なんらの問題もおこらなければ最善のケースで1ヶ月ほどで、Homesteadに移行する。このバージョンでは、マニュアルのチェックポイントが外され、自動運行になる。

次にリリースされるMetoroporisは、完全なオフィシャルリリース版で、予定していたすべての機能が使えるようになる。コマンドライン版だけではなく、一般向けのツールが提供され、Ethereumの分散型アプリブラウザであるMistが提供される。分散アプリの「Dappストア」が開設される。

最後のSerenityでは、マイニングが廃止され、POSに移行する。これ以降、新たなETHは発行されない仕様のようだが、確定ではない。この時期は16ヶ月後を予定している。

・おしらせ
ビットコイン研究所の有料版サロンでは、平易な言葉で最近の技術や業界事情などについて解説するレポートを毎週配信しています。

暗号通貨について、もっと知りたい、勉強をしたいというかたに情報を提供しています。サロン内では疑問点も質問できます。

一度登録いただけると100本以上の過去レポートが読み放題で、大変お得です。レポート一覧がこちらのページありますので、よろしければいちど目をとおしてみてください。