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POSのコインはどうやっても証券になってしまうという話をします

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

POSのコインはどうやっても証券になってしまうという話をします。批判クソリプがたくさん飛んできそうですが、以下に話すことは正論です。端折って批判されても困るので、丁寧にロジックが追えるように順番に説明します。

まず、PoSにおけるコインの新規発行の仕組みを理解することから始めます。

PoSでは、コインを持っている割合が大きいほど、新規のコインを手に入れやすいという特徴があります。

もっと単純な言い方をすると、ある時点でのコインの保有者に、その後発行されるコインがすべて割り当てられるということです。

もし参加者が1名しかいないPoSのコインがあったとします。スタート時点で1名が100%のコインを持っています。この場合、その後発行されるコインはすべてこの1名に割り当てられることになります。これは仕様がそうなので、そうなってます。

逆の視点からみると、PoSは、ジェネシスブロックの時点で、コインの保有者がゼロというわけにはいきません。ゼロに対してはゼロしか発行できないからです。かならず初期の保有者が必要なので、コインのプレマインが必須となります。

またPoSでは、最初の方にたくさん保有していた人が非常に有利になります。金利のように複利で増えていくからです。ですから、不公平なシステムにならないように、PoSのスタート時点では、十分にコインを分散して、多くのひとが保持してもらうようにするしかありません。

つまり言い換えると、PoSでは、

・プレマイン
・事前配布

の2つが、必須だということになります。

必然的にこの2つを満たす配布方式をかんがえると、

・プレマインしたコインを
・ICOにより広く販売して
・多くのひとに持ってもらう

が最も効率的な解になります。ですから、PoSのコインにおいては、ICOは避けられないことなのです。

ICOをしない方法もあります。エアドロップです。プレマインしたコインを、できるだけ多くのひとに無料で配布します。しかし、この方法では運営資金が入らないことと、無料で配布してしまい価値が付きづらいという点があるため、あえてこれを選択しようというコインは少ないように見えます。

以上のことから、PoSコインを立ち上げるのであれば、ICOが最善の策であるということになります。

ICOを実施する、プレマインを行う、運営がコインをコントロールするということは、証券と認定される要素を非常に強くすることになります。しかし、ICOによる事前配布を避けると、PoSコインは成り立ちません。これは大きなジレンマです。

では、ICOでもエアドロップでもない第3の道はないでしょうか。たとえば、運営がジェネシスブロックの時点で100%のコインを保有している状態からスタートする方法です。これも理論上は可能ですが、そのようなコインを取得する動機がユーザーにはありません。

まず完全にネットワークのコントロール権を運営が保有していることになります。ジェネシスブロックで100%のコインをもっているということは、その後のすべてのブロックを、後々からジェネシスブロックまで遡って書き換えてしまうこともできるということです。100%保有しているひとは、2年後3年後ですら、ジェネシスブロックに遡って、より長いチェーンをリリースしてしまうことができます。

これでは、運営が不正しないということを、そのコインの将来にわたって延々と信用しないといけないため、コインとしては致命的な欠陥になります。(むしろ運営を信用できるほうがコインとして優秀といった議論をするひともいますが、議論の前提が噛み合わなくなるため、そのタイプの議論は、それ以上行いません)

以上がPOSと、ICOと、証券性に関する議論です。

一方で、PoWのコイン発行を考察してみましょう。

PoWでは、ジェネシスブロックの時点ではコインの発行量は0枚で構いません。PoWでは、マイニングにより、外部の参加者により採掘がおこなわれるため、初期配布の問題が発生しません。そのため、ICOは必要なく、コインは事前に配る必要もありません。

PoWであれば証券でないという理屈が通るのは以上のようなロジックだからです。(PoWの性能うんぬんとかは関係ありません。コイン発行のロジックの問題です)

すくなくとも、

  • プレマインなし
  • PoWによる発行

であれば、証券として認定される可能性は少ないといえます。そういうコインは、時価総額トップ10をみても、

  1. ビットコイン
  2. ライトコイン
  3. ビットコインキャッシュ

の3つしかありません。

イーサリアムは、ICOを行いましたが、そのあとPoWによる配布を選択しました。最終的にはPoSに移行しますが、PoWの期間を長く持つことで、PoSを行うまでに、十分にコイン保有者を分散させ市場を成熟させることに成功しました。その上でPoSに以降しますので、PoSがスタートできる要件を満たしています。非常に賢い方法だったと思います。

 

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