レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
Ethereumのデベロッパーによる、公式のGUIウォレットが、ベータ版ですがリリースされました。長らく、コマンドラインのみでしたので、このウォレットで、一般ユーザーも使いやすくなるかもしれません。
使ってみた感想
実際に使ってみた感想ですが、ベータ版とのことで、まだまだ機能は少ないですが、アカウントの作成や送金など、最低限の機能がついています。送金手数料(Gas)の計算などもあるので、コマンドラインからは面倒くさかった作業も楽になります。
基本的には、コマンドラインクライアントである、gethまたはethへのかぶせるjavascript ベースのGUIというのが実態のようです。裏側ではgethなりが走っています。
私は、Linux版をインストールしてみましたが、インストール済みのGethに自動的にリンクして、アカウントや残高、ブロックチェーンのsyncなどが正常に行われました。
コントラクトベースウォレット
このgethにはない、このウォレット新機能として、Contoract based walletというのがあるようです。これは、その名の通り、スマートコントラクトのウォレットです。
ウォレットと、アカウントというのが別の概念みたいです。アカウントというのはGethでaccount new()ってやるとできるアドレスです。
それとは別に、そのアカウントをオーナーとする、ウォレットコントラクトがつくれるということです。
なにいっているのかさっぱりわからないと思うので、実例を
これは、コントラクトベースウォレットでつくれる、マルチシグウォレットです。n of mのマルチシグがつくれて、最大7名までのSignerが登録できます。
注目すべきは、一日あたり100ETHまでしか使えないといった、上限が設定できるということです。
そして、これらのマルチシグや、上限の設定は、プロトコルに実装されているのではなく、スマートコントラクトとしてプログラミングして書いたものだとおもわれる点が重要です。
コントラクト自体がETHの残高を持つことができ、外部からの指令で、それを動かしたり、はたまたコントラクト自体が自動で処理もできる。
つまり、ウォレットがどのように振る舞うかについては、自由に設計できて、プログラミングできるということ。
例えば、3 of 5のマルチシグだけど、国連みたいに1名に拒否権があって、その人は必ずサインしないとダメみたいな条件付きマルチシグとか、
または、上限は100ETHだけど、あるSignerがサインしていたら、一日あたりの上限が倍になるとか、
普段は指定アドレスにしか送金できないけど、あるSingerがサインしていれば任意のアドレスにおくれるとかの、
XX年XXが到来すると、ウォレット残高が指定されたアドレスに自動分配されてウォレットは消えてなくなるとか、
なんでも、好きなように処理が記述できるはず。そのようにコードを書いて、ネットワークにデプロイすれば可能ですから。
まさにスマートコントラクトです。未来を見た気がします。
安全性
ウェブウォレットはScam事件もありましたし、安全性は気になります。いちおう公式からのウォレットということで、Scamの可能性はなさそうです。あとはプログラムの安全性ですが、
We are reasonably certain that, as long as you keep your keys backed up, you won’t lose or get your money locked up by accident,
秘密鍵のバックアップさえとっておけば、ウォレット使用によって、なんらかのアクシデントによって、ETHが失われたり、ロックされたりすることはない、という確信にいたったので、ベータ版公開とした。
とあります。そういう感じでつかってください。使う際には、それでも最小限のETHのみ利用することが推奨されています。
ウォレットの詳細説明と、ダウンロードはこちらからできます。
https://github.com/ethereum/mist/releases/tag/0.3.1-beta.1
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