スモールブロックの真の意味

ビットコインのブロックサイズは1Mです[*1]。

これは、現在の普通のサーバーが処理できる取引量にくらべて、とても小さいサイズです。これをめぐっては数々の論争がありました。

マシンパワーとメモリ、ネットワーク速度が加速度的に向上(ムーアの法則)しているのだから、ブロックサイズも上げていくべき、というのがビックブロックの思想です。将来的には1ギガバイトのブロックも可能であると主張しています

なので、1Mのブロックを保つことは「人為的に上限を設けていること」であり「折角あるリソースを使わない愚行である」と批判しています。

たしかに、現在のハードウェアリソースであっても、1MBを超えるブロックサイズは問題ないですし、BCHでは32MBは動いていました[*2]

ではなぜ1MBにこだわるのか?しかも、更にトランザクションサイズを小さくしようと、細かい効率化をしようとしています。そんなのムーアの法則の前には無駄な努力に見えないでしょうか?

いえ、スモールブロックにはもっと別の意味があるように思えるのです。

これを見通すには、発想を逆転する必要があります。

どういう逆転でしょうか? 続きを読む スモールブロックの真の意味

BCHハッシュウォーから何を学ぶか?

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ビットコインキャッシュのハードフォークが終了しました。私の予想どおり、チェーンは互換性のない2つのチェーンに分岐しました。

互換性がないので、再編成も起こらず、今後もどちらかに統合されることはないでしょう。チェーンの分裂が恒久的になりました。それに伴い、コインも2つに分裂しました。

今回の件は、パブリックチェーンのガバナンスに関して、大きな教訓を与えてくれたとおもいます。本記事は、ハッシュウォーから何を学ぶのか、学んだのか?について私の意見をまとめます。

そもそもビットコインキャッシュのガバナンスの憲法は、

「1つの開発チームが独占開発する(BTCのようなガバナンス)は悪だ。複数の開発チームが独自に機能を実装する自由競争を是とし、互いの仕様が矛盾した場合、ハッシュウォーを実施して、最も大きなハッシュ支持があった提案だけが生き残ることとし、我々はソフトウェアをアップデートしていく」※1

というものでした。ビッグブロック主義に加え、ハッシュがすべてを決めるというガバナンス思想は、他のコインにはない最大の特徴だといえましょう。

今回のハッシュウォーはまさにそのガバナンスが機能するかどうかが問われたのです。 続きを読む BCHハッシュウォーから何を学ぶか?

ハッシュウォーの攻撃手法と、その結果に関する考察(敵対的HFは必ず2つのコインに分岐する)

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BCHのハッシュウォーの行く末を予想します。

前回検証したように、チェーン自体はHFを起こして2つに割れると思うので、ハッシュウォーというのは、なんらかの手段で相手のチェーンを攻撃するといったことを指すと思われます。

いちばん単純なのは自身のハッシュパワーをつかって、相手チェーンを空のブロックで掘ること。そうすると相手チェーンでは送金が処理されなくなります。これが一番シンプルな妨害策です。

さて、ほかにも攻撃のベクトルが考えられます。

SVはブロックサイズを128MBにあげました。ここにヒントがあるようにおもえます。 続きを読む ハッシュウォーの攻撃手法と、その結果に関する考察(敵対的HFは必ず2つのコインに分岐する)

ビットコインキャッシュのハッシュウォーの結論(分裂が不可避な理由)

ビットコインキャッシュは、BCH-ABCと、BCH-SVの現在2つの相異なる仕様が提案され、このままいくとコインが分裂するのではないかと予想されています。

ビットコインキャッシュでは、ひとつの開発チームが仕様を決めるのは中央集権的だと考えています。そのため、複数の開発チームが独自に(自由)に仕様を提案し、相反する仕様が提出されたら、マイナーがハッシュパワー投票により、1つの仕様を選ぶというガバナンスを憲法としています。

決定権があるのはマイナーで、唯一マイナーのハッシュパワーのみに決定権があります。それがBCH Wayです。

今回がまさにそれにあたり、マイナーはハッシュ投票により支持のチェーンを選び、多くのハッシュパワーを得たチェーンのみが生き残り、他方は消滅する、としています。

リプレイプロテクションをつけないので、ひとつのチェーンだけが残るとしていますが、果たして本当でしょうか?

またDAAがあるので、チェーンの長さに決着がつかず、どちらも同じような長さになるはずだ、という予測もあります。

いったい何が正しいのでしょうか?

私が専門家とともに検証したところ、どうやら、両方のチェーンが生き残り、コインが分裂することが不可避のように思われます。

以下に理由を書きます。 続きを読む ビットコインキャッシュのハッシュウォーの結論(分裂が不可避な理由)

115 新コンセンサスプロトコル概観(EOS,Tendermint,Difinity)とプラットフォーム競争の未来予測

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115 新コンセンサスプロトコル概観(EOS,Tendermint,Difinity)とプラットフォーム競争の未来予測

今回は、EOS、Tendermint、それから要望の多かったDifinityのプロトコルについて解説します。

イーサリアム以降のプラットフォーム競争がどうなるのか概観してほしいというリクエストもありましたので、それらも含んだ内容になります。
ホットな分野の全体を是非掴んでください。

いまブロックチェーン界隈でもっともホットな分野というと、新しいタイプのコンセンサスプロトコルでしょう。高速かつ、スケーラビリティがあり、即時のファイナリティが得られ、コストが安いというタイプで、シリコンバレーなどではホワイトペーパーの段階で200億円以上のバリュエーションがついているといわれています。 続きを読む 115 新コンセンサスプロトコル概観(EOS,Tendermint,Difinity)とプラットフォーム競争の未来予測

ビットコインキャッシュ11月のハードフォークにむけた議論入門

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ビットコインキャッシュのコミュニティで混乱が起きています。

ビットコインキャッシュは定期的なハードフォークを通して機能をアップデートしていく方針がとられており、11月18日にそのハードフォークが行われる予定です。

ただし、そのための機能アップデートに関しては、統一された意思決定機関は存在しておらず、それぞれのクライアントの開発者に委ねられ、どのクライアントを利用するかはマイナーに委ねられています。つまり、最終的にはマイナーがどのソフトウェアを採用するかで決まり、そのためにより良いソフトウェアを開発する競争が行われるという思想になっていいます。 続きを読む ビットコインキャッシュ11月のハードフォークにむけた議論入門

ビットコイン及びブロックチェーンの可能性について、専門的な事柄をわかりやすく解説します。