2018年のビットコイン価格・仮想通貨業界の予測

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

あけましておめでとうございます。今年は本日より始動します。

毎年年初に書いている業界と価格予想です。昨年の記事は、これになります。

2017年ビットコインの価格予想と主な論点

2017年の予想の答え合わせを兼ねながら、2018年の予想をしてみたいと思います。なお、予想の詳しいことや、他の識者の予想も加えた完全版レポートをビットコイン研究所有料版のほうで本日配信予定です。そちらもぜひご興味あれば参照ください。

ビットコイン価格

まずみなさんの一番の関心事の価格です。こればっかりは予想は難しいので、あくまで個人的な言いっぱなしということで書いておきます。

昨年の私の予想は2,300ドルでした。識者のなかでは最も強気な予想を出してポジトークすぎwだといわれたのですが、それを遥かに超える価格になってしまい、良い意味で大きく外しました。

日本の規制(合法化)により取引所が堂々と活動できるようになり、大量の新規ユーザーが入ってくると予測しました。その点はしっかり当たりましたが、予想を遥かにこえるユーザーが入って来た結果になりました。

ETFの実現を予測しましたが、先物上場という結果となりました。

2017年ですが、引き続きETFや、法人投資家の取り込みがどこまで可能かというのが最大の論点でしょう。それに成功すれば、今年の再現といわずとも、すくなくとも現在の価格は正当化されそうです。

肝心の今年の予想ですが、やや保守的に、

  • 35,000ドル

と予想します。

懸念としては、マイニングの拡大の遅れです。ご存知のようにビットコインを下支えしているのはマイニングで、それにかかる費用というのがひとつのファンダメンタルとして価格の下支えをしていると思います。

急激な価格先行により、マイニングの拡大がおいついておらず、とくにボトルネックとなるASICの供給において、問題がのこります。今年はASICメーカーの新規参入により、これが解決されることを願いたいですが、そうでないと、マイニングの規模が追いつかず、価格とのギャップが広がる可能性があります。

その場合、マイニング原価付近まで売り叩かれたり、そうでなければ、マイナーが莫大な利益を得ることになり、どちらも不健全です。

ビットコイン価格の安定上昇のためには、マイニングがキーであり、今年の最大のテーマは実は見えにくいですが、そこにあります。なお、この問題を解決するため、私も今年マイニング事業に参画予定です。

  • 35,000ドル
  • 法人投資家の需要がキー
  • マイニングが見逃されがちだが本当のアジェンダ

マイニング

ASICの供給は現在Bitmain社のほぼ寡占状態で、彼らが供給を絞ればマイニングの規模が拡大しません。BitmainのASICの生産能力のキャップにビットコインの成長が抑えられている状態にあるともいえます。

このASIC供給キャップの改善が今年の最大のテーマです。

Halongマイニングを始めとして、いくつかのASICメーカーの新規参入がありそうです。このあたりかなりシークレットで読みにくいのですが、いろいろ水面下でうごいていそうです。

GMOは次世代のチップを開発すると表明するなど、日本のプレイヤーがこの領域で一役買ってくれればと期待しています。

予想として、Bitmain以外の2−3社のASICメーカーが現れ、Bitmainのシェアが50%を割ることを予想(希望)したいと思います。

次に、マイニングの分散化が大きな課題です。地理的には中国、プールとしてはBitmain参加のANTpoolほかが大きなシェアを占めている状態で、健全とはいえません。

現在マイニングは、中国から、北米・ヨーロッパへ移動する流れが起きており、またブロックストリームの衛星を利用してブロックチェーンデータを送受信することで、地理的な辺境地でも自然エネルギーを活用したマイニングが可能になるといわれています。送電線の関係で、発電しても赤字になってしまうようなエネルギーがビットコインという形で蓄財できるわけです。

このようなことから、今年は、自然エネルギー(未活用電力による)マイニングというのがトレンドになるでしょう。ことによっては、どこかの国が、自国のそういったエネルギーをつかってマイニングに参加するかもしれません。

  • ASIC供給の新規参入、分散化
  • 未活用電力・自然エネルギーマイニングがトレンドに
  • マイニングに国家が参入

スケーラビリティ

昨年予想では、夏頃に1M+Segwitで決着、またBitcoin Unlimitedが30%程度のハッシュパワーでフォークオフがあると予想しましたが、そのとおりになりました。

8月にSegwitがアクティベートして、Bitcoin UnlimitedはBitcoin Cashとブランドを変えて少数派ハッシュレートにて分離しました。その後、Segwit2Mの動きは想定外でしたが、取り下げになり、1M+Segwitが実現した形になります。

スケーラビリティに関する内紛は2017で完全解決しました。今年は、とくに揉め事もなく、平和なコミュニティが続くと思います。

  • ビットコインの内紛は完全終了
  • ビットコインとビットコインキャッシュは市場で健全に競争

技術

技術の進展ですが、昨年はLightning Networkの着実な進展を予想しました。しかしながら、ハードルは高いとおもっていて、まだまだ実用化は遠いとおもっていましたが、年末にv1.0のRCが発表されるなど、実際に動くところまでこぎつけました。これは嬉しいことです。

SidechainのほうもRSKのメインネットローンチがすぐそこまできており、LNとSidechainという大きな技術の花が今年に咲きそうです。

特にLightningは先行しています。1Qにはメインネットで稼働するものと思われ、実際にライトニングを使ったサービスが立ち上がるでしょう。どの分野で立ち上がるかの予想は難しいですが、手始めにライトニングのウォレットなどを提供する業者を中心に、コンテンツのマイクロペイメントや、ECといったところで実験的なサービスが立ち上がるはずです。

ライトニングの支払い体験は衝撃的です。この体験が知れ渡ると、ライトニングへの懐疑的な意見や(ビットコインのスケーラビリティ批判)などが、180度転換するとおもいます。決済の速度や、手数料の低さ、ブロックサイズの大きさなどを売りにしていたアルトコインは、その立ち位置を考えなおさざる得ないことになるかもしれません。

それほどにユーザー体験は強烈で、即時決済、手数料無料で、電子マネーのように使えてしまいます。これを実際に目のあたりにした人の意見がどのように変わるか、いまから楽しみです。

最大のニュースがあるとすれば、Bitpayのライトニング採用ですが、流石にそこまでは行かないでしょう。(ビットフライヤー、コインチェックのペイメントのほうに頑張って欲しいです)

ただし、実際のライトニングの利用はごく一部のサイトや、一部の先進的なユーザーに限られるでしょう。現段階では、ウォレットなども限られる上、チャネルの永続性や監視、ルーティングなどの課題があり、それらが容易に解決するとは思えません。実際にライトニングが動くようになりますが、まだ一般のユーザーに浸透するには遠いとおもいます。

なお、ライトニングはすべてのスケーラビリティを解決するものではありませんし、課題も山盛りです。しかしながら、そのユーザー体験の良さから、「なんでもかんでもライトニングだ!」といったユーザーからの逆のプレッシャーがかかって、ライトニング神話ができてしまうのではないかという危惧をもっています。むしろ期待を持ちすぎないようにコントロールしたほうがいいかもしれません。

ビットコインの国際会議であるスケーリングビットコインが東京で開催されるだろうという予想は、昨年は実現できませんでしたが、1年おくれて今年の東京開催となりました。世界最高の技術者があつまり議論が戦わされる場となり、東京が栄えある場所に選ばれたのは喜ばしい限りです。当然私も行きます。楽しみです。

  • ライトニングのユーザー体験で、世論が180度変わる
  • 決済速度、手数料を売りにしていたアルトコインは、その立ち位置の再考を迫られる

アルトコイン・ICO

2017はICOは下火で、新規性のあるものは少なくなると予想しました。同時にホワイトペーパーだけで化粧したような詐欺まがいのプロジェクトが増えると書きました。

予想は、皮肉な結果になりました。ICOや草コインは下火どころか、市場最大のブームとなり、昨年もっともつぶやかれたバズワードは「ICO」だったといえます。

そして、イーサリアムがICOのプラットフォームとして大成長し、過去最大値をつけるなど、まったく予想外でした。

ICOの数は予想を外しましたが、ICOの中身は予想どおりでした。殆どのICOが実態がなく、開発さえされておらずホワイトペーパーだけといった詐欺まがいのものが横行しました。

今年のICOですが、更に優良な案件は少なくなり、ほとんどなくなるとも言っていいでしょう。数だけは増えるかも知れませんが、どれも話題にすらならないので、数とかいう指標はもう見向きもされなく成ると思います。

それに変わってフォークコインが増えるでしょう。いまでもたくさん有りますが、BTCからだけではなく、イーサリアムや、その他上位のコインからのフォークが無数に増えて、月に100個を超えるようになるとブームの頂点です。

  • ICOの数は増えるかもしれないが、中身はゴミだらけで、ICO自体が見向きもされなくなる
  • フォークコインが月に100個に

ハードフォーク

ブロックサイズの拡大のハードフォークは、ビットコインキャッシュにより一段落しましたが、開発者の目線は、ハードフォークでなくてはできない重要な変更についての議論に移ると思います。今年のスケーリングビットコイン(東京開催)では、そのようなトピックが取り上げられると考えられています。

マージマイニングの対応や、ナンス領域の拡大、Witness Commitmentのブロックヘッダへの格納など、技術的に専門的な話になりますが、さまざまな話が出てくるでしょう。

2019年の終わり頃をめどにしたハードフォークの議論がでてくると予想しています。キーとなるのは、Segwitの採用比率で、これが十分に高まれば、ハードフォークへの議論の準備ができたととらえる開発者も多いと思います。年内にSegwit 50%を超えて欲しいと思っています。

なおSegwitについては、CoinbaseのSegwit対応を皮切りに、大手の対応が進むと思います。とくに、Bitcoin Core 0.16.0が春先にリリースされると、Segwitウォレットが対応する見込みで、バックエンドにBitcoin Coreを使っていたサービスが一気にSegwitに対応するでしょう。

  • 年内のSegwitトランザクションの比率が50%を超える
  • 2019のハードフォークの議論が起こる

イーサリアム

イーサリアムですが、Casperへの移行はできず、という点は当たりました(テストネットはローンチ)。しかしながら、イーサリアム周辺でおこっている新技術の進展は目を見張るものがあり、ここまで様々な試みがなされてコミュニティが厚くなるとは予想していませんでした。

POSへの移行は遅れたものの、技術の進展という意味では個人的な予想を超えました。そして、正直あまりに多くのものがあり、追いつけていない状態にあります。それほどの進展だったといえます。

そのため2018年はイーサリアムについては予想できるほどの知識を備えなくなりましたので、素直に降参したいとおもいます。

2018年のキーワード、トレンドワード

2017年のトレンドワードは間違いなくICOでしたが、2018年のキーワードは、クロスチェーン・インターオペラビリティになるとおもいます。異なるチェーン間のコインの相互運用というのがクロスチェーン・インターオペラビリティです。

ブロックチェーンというのは、それぞれのチェーンがそれぞれで運用されて、それがつながっることは難しかったです。唯一、取引所におけるコイン間の売買により異なるチェーンが接続されており、つまり、取引所が擬似的にチェーンをつなげていたと考えられます。

今後は、取引所を介さず、チェーン同士が直接つながる、インターオペラビリティの方向に向かっていくのは間違いありません。その際に、異なるコインを交換する手法として、アドミックスワップや、DEX(分散取引所)、サイドチェーンによる2-way ペグなどが考えられます。

インターオペラビリティで繋がるチェーンは、パブリックチェーン同士もありますが、サイドチェーンや、プライベートチェーンなども接続され、つまりブロックチェーン間のインターネットが実現していくという大きな絵を書くことができましょう。

2018年中にどこまでこれらの構想がすすむかですが、イーサリアム系を中心に果敢なチャレンジがなされており、技術の進展には目を見張るものがあります。

実際に動くものとしては、COSMOSがまず2月にローンチ予定で、イーサリアム、ビットコイン、サイドチェーン(RSK)などが繋がる可能性があります。まずはこのローンチに期待します。未来的なものを垣間見ることができるでしょう。

  • クロスチェーン、インターオペラビリティが流行語に
  • このテーマでのプロジェクトの多数の立ち上げが予想される

以上です。来年また答え合わせをしましょう。

さて、ビットコイン研究所(有料版)では、これらの予測の詳細を含めて、他の識者の意見も取り込んだ完全版予想を配信しています。価格、技術、規制、ICO、プライベートチェーンと、幅広いテーマにおいてそれぞれの専門家が予想していますので、ぜひ参考にされてください。有料版への入会は下記になります。

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