レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
BIP91ロックイン
21日昼ごろ、BIP91が無事ロックインされた。これにより、8.1のUASFは意味をなさなくなり、ネットワーク分岐は回避されたと理解されている。
BIP91がアクティベートされると、Segwitのブロック(bits1ブロック)以外のブロックは無効とみなされる。
これにより8月以降Segwitがアクティベートされると理解されている。
BIP91の実際のアクティベートは、ブロック#477,120。日本時間23日の夜7時ごろになる見込みである。
さて、8.1の分岐は回避されたものの、残るリスクについて2つ指摘しておく。
これらのリスクはBIP91のアクティベート直後から起こるので、むしろ取引所や支払いサービスにおいては、は8.1ではなく、23日9時ごろからの適切な対策を取られることが望ましい。
BIP91のオーファンリスク
BIP91は、UASFと全く同じルールを適用する。つまりUASFと同じ状況が起こる(しかも7.23に前倒し)のため、取引所やサービスにおいては、チェーンの状況についてはよくウォッチしたほうがよい。
Segwit2xの開発レポジトリやTwitterなどで複数の議論があったが、要点をまとめると、
・BIP91がアクティベートされた以降、複数の再編成は起こる可能性が高く、1確認ではなく6確認まで待つことが望ましい。
とのことである。
取引所や、各種支払いサービスはもちろんのこと、ビットコインを受け取る普通のユーザーも、1確認ではなく6確認待つといった安全策をとることが望ましいようだ。
現在ネットワーク上には、BIP91の仕様通りに動く中継ノードが存在しない(マイナーだけがBIP91を走らせている)。そのため、マイナーのブロックの伝播がBIP91でない一般ノードを通して行われた場合に、マイナーがオーファンブロックを採掘してしまう可能性があるのではという類の指摘と議論がされていたと理解している。このあたり詳しいロジックと正確なところは私も把握できてないのでこれ位以上詳しいことは述べられない。取引所など重要なノードを走らせている方で、まだ把握されていない関係者は各種議論を追われることをおすすめする。
(追記)書き方がわるかったためか、あたかも7.23のBIP91のあと別々のチェーンが競合するというような解釈をされるひとがいるようです。ここで言ってるのはタイトルにあるように「オーファンリスク」です。ソフトフォークによって永続的におこるチェーンの分岐ではなく、ソフトフォークに起因してオーファンブロックが増えるリスクです。オーファンブロックの頻度が上がるまたは2ブロック以上のオーファンが発生するというリスクです。
Segwit bits1がシグナルされないリスク
BIP91が発動されたあと、Segwitのbits1をあえてシグナルしないマイナーが出てくる可能性だ。
BIP91というのはUASFと全く同じ動作をする。このため、bits1を掘らないマイナーがいる場合、UASFで危惧されていたような予想のつかない分岐が起こる可能性がある。
普通に考えればマイナーにはこのようなことを起こすインセンティブはないため、これが起こることは考えにくいが、あえて起こると仮定すると、意図は故意のネットワーク攻撃だろう。
非常に疑い深い人の中には、故意の攻撃を仕組み、収拾がつかなくなったところで、しかたなく緊急ハードフォーク(UAHF等)に持っていくといった作戦ではないかという陰謀論もささやかれている。(8.1は回避されたとおもっているので安心しているなか、それより早い7.23に分岐が起このでさらなる混乱が予想)
(追記)本日17時ごろより、最大のマイニングプールのAntpoolが正しくBits1をシグナルし始めました。これにより、bits1がシグナルされないという噂の可能性は大幅に減少したものと思われます。
(追記2)23:30現在、95%以上のプールがBits1をシグナルしています。
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