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8.1のビットコインの分岐問題がいまごろになって大きく取り上げられつつある。
しかし、情報がすでに古く、危機をあおるようなものがまだ報道されているので、最新の見通しについて簡潔に解説しておく。
簡単にいうと、当初煽られていた危険なタイプの分岐は避けられる見通しで、一方で、8.1に想定されていなかった別のタイプの分岐が起きる。ただしこちらは危険ではない。
図を追いながら説明する
まず、8.1に「取引が巻き戻されたりチェーンが消えたりと」いったような危険なことが起きる可能性をはらんだ分岐(UASF:ユーザ・アクティベイテッドソフトフォーク)は避けられる見通しである。
8.1以前に、マイナーの80%が別の手法によるチェーンのアップデート(BIP91)に合意し、そちらが先に実行されることがおよそ確実とみられている。最新の観測では、このアップデートは7.21の夜ごろに確定し、24日頃に有効化されると、すべてのマイナーがこれに従う見通しである。結果、8.1の分岐は回避される。
一方で、当初の8.1の話には全く無かった話が急遽浮上した。「ビットコイン・キャッシュ」による分岐である。8.1に中国のマイニング企業ビットメインとビットコイン・アンリミテッドをベースとする一派が、ビットコインからスピンオフを行う。ハードフォークになる。
ビットコイン・キャッシュは決済システムとしての規模を追求する方針で、ブロックサイズを8MBに拡張し、上限をマイナーの合意で変更できる仕組みを備える。
日時は8.1の日本時間21:20で、それ以降に、ビットコインのチェーンは分岐し、現在のビットコインとビットコイン・キャッシュの2つに別れる。
ただし、この分岐は特に危険なところはない。双方のチェーンは二度と交わることなく完全に別れることができるような策(リプレイプロテクション)が施されており、コインや取引が消えたりするようなことは想定されない。またブランド名もビットコイン・キャッシュという別の名前が付き(BCC)、消費者にも区別がつくだろう。
すでに英語コミュニティの話題は8.1以降のビットコインに移り始めている。アクティベートをめぐって長い間論争になっていたSegwitは、8月の中旬ごろに採用が決定する見込みで、下旬ごろに実際に利用できるようになる。
問題は、その次に予定されているブロックサイズ引き上げ(2M)へのハードフォークだ。今回のSegwitのアクティベートは、それを行う代わりに、ブロックサイズを引き上げるハードフォークを後日行うという政治的な協定(NY協定)のもとに合意に至った。
時期はSegwitのアクティベートの3ヶ月後とされており、11月の下旬にその時期が訪れることになる。
しかしながら、実際にこの2Mハードフォークが実行されるのかどうかはまだ不透明だ。マイナーの多数がこれに賛同しているが、反対者も根強く存在し、普通に実行すればビットコインは確実に分裂することになる。
このハードフォークの実施にむけては、賛成派・反対派による引き続きの激論が予想される。それが危機的なものになるのか、それとも安全なものになるのかは、まだ予想が付かない。ただし、議論はすでに始まっており、コミュニティの関心は11月に向けられつつ有ると思われる。
(以上)
補足:およそ確実視されているが、21日になるまでは確実ではなく、どんでん返しがある可能性は考慮にいれるべし。まずは21日の状況をウォッチしよう。下記のURLのサイトがウォッチには便利だ。
21日に間に合わない場合、なお1サイクル遅れ、その場合、24日に再度確定の判断がされることとなる。サイクルは約2日半である。
また、ビットコインキャッシュのハードフォークは、直前になって、とりやめたといえば取りやめることもできる。
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