暗号通貨に何を求めるか?4つのスタンスの違い

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暗号通貨に何を求めるか?

個人的にツイッターでアンケートを取った結果だが、あらためて興味深い結果であった。
結果をみると、予想どおりであったが42%の人が儲けの機会だと答えた。

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これらの人にとっては、暗号通貨自体には全く興味がなく、要するに暗号通貨が対象でなくても、博打だろうが、サイコロゲームだろうが、チケットの転売だろうが、とにかく儲かればなんでもよい。このような層が半数近くを占める。

そして、相場は荒れて乱高下するほうがよく、そちらのほうが儲けの機会が大きい。

また、これらの人が相場で増やしたいのは「法定通貨」である。つまり日本円を増やしたい。

次は、政府や何かの権力によらない価値の貯蔵手段と答えた人で、28%存在する。
これらのひとは、日本の財政事情を憂い、日本円が将来ハイパーインフレなどで無価値になる可能性を予想していたりする。

保有の財産のヘッジとして、ゴールドや、土地、株式などと共に、暗号通貨資産を組み入れている。積極的に儲けるというよりは、「守り」の資産クラスだろう。

とりわけ暗号通貨は、政府に差し押さえされたり、調査されたりすることが難しく、独立性やプライバシーの面で非常に優れている資産だ。

これらの層がほしいのは法定通貨ではなく、それよりももっと安定したユニバーサルな資産である。

早くて安い送金や決済の手段と答えた人は、18%。これらの人のニーズは暗号通貨だから、というわけでもなく単に無料で早く送金できれば、ペイパルでもラインペイでもアリペイでもなんでもよい。

純粋に決済として早く、安ければよい。送る対象は相場が上下する暗号通貨より、日本円がそのように支払いできればむしろベターだろう。

つまり、たまたま暗号通貨の送金手数料が初期にやすかったので彼らのニーズにマッチしたが、手数料が高くなるにつれ、他の支払い手段に移っていくだろう。そしてそちらのほうが未来はあかるい。

というのも既に中国のアリペイでは瞬時に無料で決済できるし、その点のフィンテック技術や銀行の革新によって、いずれ支払いの手数料は0になるのが見えているからだ。

これらの層にとってほしいものは、実は既に実現できている

公証や記録などお金以外のブロックチェーンの機能と答えた人が12%だ。

よくいわれていることに、「ビットコインは欠陥商品だが、ブロックチェーン技術はすばらしい」というものがある。お金としてのブロックチェーンには悲観的だが、ブロックチェーンの応用や、プライベートへの適用などには機会があるという意味だ。銀行を始めとする金融機関や、ブロックチェーンでの業務革新を考える政府機関などは、暗号通貨ではなく、ブロックチェーン技術だけに興味がある。

まとめると、

  • 早く簡単に手っ取り早く法定通貨を増やしたい
  • 法定通貨ではないユニバーサルな資産がほしい
  • 早くて無料の支払い手段がほしい(実は既に実現されている)
  • ビットコインは徒花でブロックチェーン技術が本命

こうしてみると、同じ対象ながら、まったく別々の価値観のひとがこの業界に入り乱れているということになる。まったく別というより、むしろ相反して、価値観がまったく逆な人が同じ対象を語っている感じすらある。

暗号通貨界隈には、何をもとめるかによって喧嘩や言い合いが絶えないが、このアンケート結果を見るとそれも仕方ないと納得させられる。

なお私個人は、「政府や何かの権力によらない価値の貯蔵手段」として暗号通貨を理解・評価している。

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