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有識者の皆さんへ、ICOはスタートアップ企業にとっての資金調達手段ではありません

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

「ICOはスタートアップ企業にとって有利な資金調達手段だ。銀行からの融資が受けづらいなどの制約があるスタートアップが、ICOでは、短期間で、巨額の事業資金を手に入れ、迅速にプロダクト開発に着手できる。また、経営の独立を保てるといった利点がある」(https://jp.cointelegraph.com/news/how-to-implement-innovetion-with-unique-regulations-for-crypto-in-japan

上記は一般的なICOへの理解であろう。有識者の会議や、有識者のブログなどでも、上記の理解のもと議論が行われている。

繰り返し述べていることだが、ICOはスタートアップ企業にとっての資金調達手段ではない。これは、非中央集権型のプロトコルにとっての(唯一の)資金調達手段である。

企業はすでに株式や、融資、クラウドファンドといった調達手段があり、それを利用すべきでICOを使う意味はない。なぜICOを使う企業がいるかというと、規制がゆるく、投資家がアホだから、イージーに金があつまるからだ。

ICOは、企業にとって手軽に金を集めるための便利なツールではない。

ICOは、他に資金の調達手段を持たない非中央集権型のプロトコルにとっての唯一の調達手段である。

このスタート地点の認識に違いがあるため、議論が噛み合わないことが多いように思える。

世界初のICOは、Maidsafeコインだといわれている。その後いくつかのプロトコルが続き、2014年にはイーサリアムのICOがあった。

いずれも、資金の調達手段をもたないオープンソースのボランタリーなプロジェクトがどのように持続的にお金を得て活動するかというのが主眼であった。このために発明されたのがICOであり、トークンの値上がりにより経済圏を拡大させる。これらのエコシステムについての考察は、2015年初頭にブログで考察した。

ICOとレイルウェイマネタイズモデル

現在日本で主流になっていのは、企業によるICOだ。調達した資金は、プロトコルの開発ではなく、直接企業のバランスシートに組み入れられて、全てがプロトコルの開発につかわれるわけではない。単純にいってこれはスキーム自体が詐欺的である可能性すらある。たとえば調達した資金を企業がBSに組み入れ、そのまま配当してしまったらどうなるか?

トークンの保有者は株主ではないため、配当はえられない。トークン保有者から調達した資金で、株主に利益が移転する。構造的にトークンホルダーと株主の間で利益相反が起こる。

企業がICOをするなら、調達した資金はトークンの開発だけに利用し、他に流用したり配当することがないという保証が必要だ。別のエンティティにするなり、会社を分けるなり、工夫が必要である。そのまま調達した企業のBSに組み入れられ、自由に使って良いとなるならば、詐欺に等しい。

ICOで最も重要な規制をするなら、株式会社によるICOと資本への組入れであろう。これは禁止すべきだ。

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