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Augur – 胴元のないギャンブルは可能か?史上最大のギャンブル市場の可能性を秘めたAugurとは?

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japansale.augur.net

未来予測市場については、過去に何度か取り上げており、非常に注目している。

今回は、初めての分散型未来予測市場のためのプロトコルであるAugur(オーガー)がクラウドセールをするので、あらためて、予測市場とはなにか、なぜこれがビットコイン及びに、イーサリアムのキラーアプリになりえるのかについて、解説する。

Augurは、世界最大の予測市場としてはもちろんのこと、デリバティブ及び、保険などへの応用を含めて、社会インフラになる可能性がある。

<予測市場>

予測市場というのは、簡単にいうと、未来におこる出来事にたいして、お金を賭け、実際に起きた結果を言い当てたほうがお金を得るというギャンブルの一種だ。

たとえば、「次のアメリカ大統領選挙でどちらの候補が勝つか?」「ワールドカップでどこの国が優勝するか?」

といった社会やスポーツイベントなどの予測が典型的なものだ。

Augurが目指すものは、こうした未来の出来事にたいして、賭けを通した集合知による予測を行い、実際の事実を認定するという、分散型のプロトコルである。

Augurのソフトウェアは、オッズを算出し、賭け金を預かり、事実を認定し、配当まで行うが、そこには、特定の胴元が存在せず、分散型のソフトウェアが、これらをすべて自動で実行する。

<なぜ予測市場が重要なのか?>

Augur自体は「ギャンブル」という言葉を避けているが、なぜブックメーカーのような社会的に有用でないものが、重要になりえるのだろうか?

ひとつの理由は、これを用いることで、大衆が考える未来を事前に知ることができるからだ。未来予測として機能する。

以前存在した、Intradeという予測市場では、2008年のアメリカ大統領選挙において、48州の結果を当てている。大衆の予測が案外ただしいことは、Wisdom of Crowdという理論で検証されている。

もうひとつは、保険にイノベーションをおこす可能性があるからだ。

ギャンブルと、保険や金融デリバティブというのは、目的こそ違うが根本の仕組みは同じだからである。

例えば天候デリバティブという保険商品がある。

その年の天候が良し悪しについて、未来の予測に賭ける商品だ。投機家は、天候が良くなる方に賭け、農家はリスクヘッジのために天候が悪くなるとお金が受け取れる方に賭ける。こうして、取引が成立すると、保険として機能する。

同様に、生命保険は、人の死に関しての予測を集団で行うものであり、存在保険も同様である。

Augurは、未来予測を通して、これらの、保険機能や、金融デリバティブ機能を、P2Pで実現することができる。

これにより、胴元コストや管理を削減することができ、世界中のひとが参加できる、民主的で安価なリスクヘッジ市場を作ることが可能となる。保険市場のあり方を問う、チャレンジングな試みになるはずだ。

最後に、Augur自体が、ビットコインやイーサリアムにとってのキラーアプリとなる可能性が期待されている。保険の応用以前に、世界最大のオンラインブックメーカーとして、Augurは活用されるだろう。

<どうやって胴元をなくすのか?>

さて、Augurのイノベーションは、ブックメーカーを胴元なしに運営することである。これを実現する仕組みを簡単に解説する。分散型のブックメーカーには、次のような機能が必要だ。

(1)誰もが賭け事を作れること
(2)誰もがそれに簡単に賭けることができること
(3)結果を、胴元が判断せず、分散的に判断すること
(4)配当を胴元を経ず自動的に実現させること

これらの4つの機能が不可欠である。Augurは、これら4つの機能をイーサリアムのスマートコントラクトを利用して実現する。

Augurでは、だれもが賭け事をつくりネットワーク上に載せることができる。そして、Augurが作成したアドレスにビットコインやEtherなどを送金することで、簡単にそれに賭けることができる。掛け金はいわゆるコントラクトで守られ、誰かが勝手に引き出したり、移動することはできない。

そして、一定の期間がすぎ、事実が判明すると、それにしたがって、ソフトウェア自動的に、掛け金を配当する。そこに胴元や人間は介在しない。

Augurでは、予測した事実の認定すらも、分散的に行う。特定の胴元や、偉い人が事実を認定するのではなく、レポーターと呼ばれる多数の人によって、分散的に事実を認定する。

<レポーター>

Augurでは、レポーターという事実を認定する多数の人が存在する。レポーターは、定期的に予測の対象となる事実について、実際に何が起きたのかを判断して報告をする義務がある。この際に一定のデポジットを積むことが必要とされる。

簡単にいうと、レポーターは、報告に際して、正直に報告すると報酬がもらえる。事実と違う報告をすると、デポジットを失う。

正確にいうと、大多数のレポーターが報告した事実と同じ事実を報告した場合、報酬がもらえる。多数派と同じ行動をすれば報酬がもらえるわけだ。そして、多数派の報告が事実として確定する。

あえて起きた事実と違う報告をしてもいいが、その場合は、レポーターが共謀しないかぎり、少数派になる。少数派になった場合、デポジットが没収される。

こういうインセンティブ制度では、常に正しい報告をして、多数派になり、報酬を得たほうが得をする。

もしレポーターが、充分に存在し、それぞれが独立しており共謀することがなければ、この方法で分散的に事実を認定することができる。

これを専門的にはDistributed Fact Stream(分散型事実認定)と呼ぶ。

<法的リスク>

さて法律的な問題について触れておかないとフェアではない。Augurは、またしても分散型プロトコルにおける法律のパンドラボックスを開くことになる。

Augur自体はビットコイン同様に、プロトコルであり、オープンソースのソフトウェアに過ぎない。実際にこれをつかって、スポーツカジノを作ったり、保険を作ったりするのは、それぞれの国の、それぞれの法律に従うことになる。

Augurチームと弁護士は、プロトコル自体は違法ではなく、米国の規制当局とも話したと述べているが、最終的に各国政府がどのように判断するかは未知である。

かつてこの手の未来予測市場は、何度か作られてきたが、中央型の仕組みであったために、政府によって取り潰しにあってきた歴史がある(intrade等)。Augurはビットコイン同様に分散型であるため、取り潰しができないと開発者たちは考えている。

<クラウドセールについて>

 – クラウドセールのサイト

簡単にクラウドセールについて触れておく。他のクラウドセールと同様に、ソフトウェアの開発費用およびに、遵法性担保するリーガル費用として、調達した資金は使われる。

Augurで販売するトークンは、REP(レピュテーション)と呼ばれ、先ほどのレポーターになれる権利である。

レポーターは、REPをデポジットしたうえで、事実について報告を行う。事実を正直に報告すれば、掛けられたお金のうち、一定の%が手数料として、レポーターに配当される。

ビットコインでいうところの、ネットワーク維持のために必要なマイニングに相当する行為が、レポーターによる報告ということになる。ビットコインのマイニングは誰でもできるが、レポーター制度では嘘の報告による51%アタックを防ぐために、REP(レピュテーション)を保持し、それをデポジットする必要がある。

クラウドセールでは、このREPを販売する。

Augur上で行われる取引額全体から、一定の配当がえられるという、配当付きトークンのようなものである。取引量が多くなればなるほど配当が増えるため、直接的な収入がある。

クラウドセールは下記リンクから購入できる。購入にはビットコインほか、Etherも利用できる。

Crowd Sale オフィシャルページ(日本語) – japansale.augur.net

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