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Augurのクラウドセールの論点(市場規模、トークンの収益性、リスクなど)【プレミアム級記事】

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Augur クラウドセール http://japansale.augur.net/

Augurのクラウドセールが始まり、26時間たらずで5,000BTC(ETH含む)を集める人気になってます。

他のクラウドセールにはあまり関心のない外国ビットコイナーもAugurだけは話題にしてまして、予測市場というものへの期待感が高い感触は持ってます。

ただ、Augurには、いままでの案件よりリスキーな部分が大きく、人気だからといって、手放しでおすすめするのも憚られます。私自身は、個人的にAugurを応援したく、購入する意向ですが、どのくらい購入するかは考えあぐねています。

その確認のつもりで、クラウドセールサイトの読み込みと、収益の分析をし、リスクになる項目を検討しました。(Augur自体の説明は、こちらの記事を参照ください)

※本記事は、あくまで私用のメモであり、本記事を参考にしてトークンを購入する行為は、すべて購入者の責任のもと購入することを確認ください。

<REPとはなにか?>

まず、クラウドセールで販売される、REP(Reputation Token)について公式ブログより解説を確認します。

まず、理解しておかないといけないのは、REPは暗号通貨ではなく、ギャンブルの掛け金につかうゲームコインでもないということです。掛け金自体は、BTCやETHなどの他の暗号通貨を使います。

ではREPは何かというと、

REP is the first decentralized oracle solution ever implemented. It allows its holders to report on the outcome of events in Augur’s prediction markets, and rewards them for honesty, and regular reporting, with half of all trading fees on the platform.

REPを持っている人は、予測する対象について実際におきた事実を報告をする義務と権利があるということです。正直に事実を報告すると、Augurプラットフォームが得るトレーディングフィー(賭ける際に付加する手数料)の50%がREP保有者に配分される仕組みです。

Those who choose to purchase REP in the upcoming software sale will be required, every eight weeks, to participate in a reporting period, and during that period, spend what should take no more than an hour, to report on a random selection of prediction markets that have expired in the past eight week period. This allows Augur’s prediction markets to be closed and resolved in a fully distributed manner.

REP保有者は、8週間後ごとですから年に6回のレポートが義務づけされます。8週間の間で、Augur上でおこなわれた予測がランダムに割り当てられ、その結果を報告します。

報告は1時間もかからない作業とあり、その事実が起きたかどうかについて、YES/NO/わからないの3択を選ぶだけとのこと。

This is also why a crowdsale/auction is so important because it incentivizes people who buy rep to report honestly because they have something valuable at stake if they don’t. If we simply gave it away people could easily Sybil attack the system and wouldn’t have as large an incentive to report correctly.

REPをクラウドセールで販売するのは、誰もが報告できるとなると、いわゆるシビル攻撃ができてしまうため。REPを持っている人はステークホルダーなので、攻撃インセンティブはないという、POSの理論です。

REP is not mined. It is fully distributed at the end of Augur’s software sale about two weeks after Ethereum’s Frontier launch, based on the amount of responsibility (and money) individuals decide to dedicate to the software. We emphasize responsibility, because that is what holding REP requires.

REPはマイニングできず、発行量は固定。クラウドセール時にすべて発行されるので、今後購入するには市場から買ってくることになります。

What happens if REP holders lie or forgot to report?If Reputation holders fail to report on the outcome of events assigned to them during the reporting period, or report dishonestly, principle component analysis, PCA (explained at length in our blog), redistributes the lazy or dishonest Reputation holders’ REP to those who have reported both regularly and honestly

REPを持っている人は必ず報告しないといけないのか?これはYESで、報告をおこたったり、嘘の報告をした人は、REPが減少するペナルティをうけることになります。このペナルティ分は、正直な報告をしているREP保有者に再配分されるという仕組みのようです。

Reporting should be a fairly intuitive process, as most markets will have had time before the voting period to auto-resolve themselves (as rational actors will be incentivized to sell their losing shares before a market reaches zero value, leading most markets to have 99-to-1 odds at closing time).

報告といっても、全部の予想事案について報告することは大変では?またレポート期間が2ヶ月だから、2ヶ月のあいだずっと結果が確定しないのだろうか?

この点は、そうでもないようです。報告を要するのは予想事案の一部のようです。というのも、たいがいの予測については、期間終了間近で、YESかNoかがおよそ判明してしまうため。たとえば選挙などは、開票率100%でなくても結果はおよそわかりますし、スポーツゲームも大差がついたら、結果がわかります。そのため、期間終盤では、オッズが100%または99%くらいになるだろうとのこと。こうした場合、レポーターによる判定は不要とするようです。

Has to be 65% consensus to agree. There are possibilities of a 51% attack, but it’s very hard as you have to afford 51% of reputation

報告は65%以上のひとが報告したものを正とするとあります。つまり、65%アタックが必要ということになりますね。

報告は、REP保有者全員にランダムに割り当てられるので、共謀することはなかなか難しいんじゃないかと思います。

ただ、やはり、充分に分散して、多くの人がレポートに参加する必要があります。クラウドセールで、たとえば、300人しか買わないということだと、300人でのレポートになり、充分に分散しているとは言えません。これがどのくらいの数になればいいのかはわかりません。

<セールのスケジュールと方式>

次にセールのスケジュールを確認します。

期間は45日間。

8/17 の深夜24時から、10/2の深夜24時まで(日本時間)。

トークンの発行量は11,000,000で、そのうち80%の8,800,000が販売されます。残りは、開発者と、事前のエンジェルマネーを提供したひとの取り分です。

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他のクラウドセールと同様に、先に買った人が得をします。ボーナスがつくという形になります。ボーナスのスケジュールは下記の通り。最初の5日間が15%のボーナスということになります。

  • True Augur (15%): August 17- August 22, 12:00pm (EST)
  • Prophet (10%): August 22-  August 27, 12:00pm (EST)
  • Nate Silver (5%): August 27 – September 5, 12:00pm (EST)
  • Nostradamus (0%): September 5- October 1, 12:00pm (EST)

クラウドセールは、BTCはもちろんのこと、ETHも利用できます。また、他の暗号通貨も、Shapeshiftとの連携により、ほとんどのものが購入に使えます。

ソフトウェアのリリースは、Q4 ’15 or Q1 ’16 とのこと。

また、セール価格ですが、定額販売ではなく、ライブオークションという方式がとられます。ライブオークションといっても、単純で、発行される88Mのトークンを、最終的に集まった額で割って、比例して割り当てるということです。

つまり、事前に1000トークン買いたいとおもっても、蓋をあけてみないといくら買えるかわからないということになります。参加者が多ければ多いほど、もらえるトークンは減ってしまうので、あんまり集まりすぎるのもこまります。一方で参加者がへれば、それだけ少額でたくさんのトークンがもらえますから、本気で狙っている人はあまり拡散しないほうがいいかもしれません(笑)

資金の集まり具合は公表されると思いますので、最後の方に資金の集まり具合をみて、購入をしたほうが単価が計算できて有利だと思います。一方で、最初の方に購入した人は15%のボーナスがつきますから、どちらかがいいかというののせめぎ合いということになりそうです。

このあたりからすでにREPの販売価格を予測するという市場なのかもしれません。なかなか手ごわいです(笑)

<市場と収益性はあるのか?>

さて、Augurですが、どのくらいの市場があり、REP保有者はどのくらいの報酬を稼げるのでしょうか?

REPは、他の暗号通貨のように需給でしか価格が決まらないものと違い、トレーディングフィーの配分を得られるという性質がありますから、配当付きトークンと考えると、株式に近い性質があり、価格の計算は可能そうです。

Augurもその額を算出していますが、算出根拠が不明で理解できないため、あらためて独自に見積もってみます。

Augurの取り扱い掛け金のうち、およそ2%がトレーディングフィーとして配分される原資になります。そのうち、1%は賭け事を設定したマーケットメーカーの取り分、のこりの1%がREP保有者の取り分になります。

ですから、取り扱い額の1%というのがREP保有者への配当ということになります。果たして、これはどのくらいの規模が予想されるのでしょうか。

世界中の予測市場のマーケットがどのくらいになるかは、まったくデータがありませんが、オンラインのギャンブルの市場規模から見積もってみます。

世界のゲーミング(ギャンブル)マーケットは、およそ400Bドル(50兆円)で、そのうち10%程度がオンライン化しているという統計があります[1]。

他社のデータでも[2]、2015年のオンラインゲーミングのマーケットが、約40Bドルとなっており、およそ日本円にして5兆円というのが実際のところのようです。

この大きさにはびっくりしました。本当かよ、と思いますが、たしかに日本のパチンコ産業が20兆円ですから、本当にこのセクターは市場が大きいのでしょう。新しい技術はエロとギャンブルからというのはごもっともかも知れません。

[1]http://www.viaden.com/products/gambling-industry-facts.html

[2]http://www.statista.com/statistics/270728/market-volume-of-online-gaming-worldwide/

さて5兆円は、カジノやロトを含めたものですので、いわゆるブックメーカー分だけを計算にいれます。この内訳グラフによれば、Wageringという賭け事が、ブックメーカーのような、スポーツ結果などの未来予測に賭けるものだとおもわれて、全体の39%にもなるようです。

以上のデータから、年間のオンラインブックメーカーの市場は、およそ

5兆円 x 39  % = 約2兆円

であると考えられます。

このうち、Augurがどのくらいのシェアをとって代替するかを計算して、REP保有者の取り分である1%をかけたものが、年間収入になります。

シェア1%   =Augur取扱高 200億円/年   * 1% = 2億

シェア5%   =Augur取扱高 1,000億円/年  *1% = 10億

シェア10%   =Augur取扱高 2,000億円/年  *1% = 20億

計算してみると、なかなかの数字です。数年以内にあり得るケースとしてシェア1%の場合、REP保有者全体で、2億円の収入ということになります。

<損益は?>

さて、となると、REPの値段はいくらが妥当で、将来どのくらいまで伸びそうでしょうか?

REPは、先ほど解説したように、オークション制で定価販売ではありません。最後になるまで、いくらで買えるのかはわからないのですが、仮に、どのくらいの範囲であれば買って損はないかというのを考えてみましょう。

先程は、Augurがオンラインブックメーカー市場の1%を取るというケースで考えてみます。

(Augur自体はプロトコルなので、Augurを利用して自社サービスを提供するブックメーカーの比率が1%になると理解してください)

この場合REP保有者の収入は2億円なので、これをトークンの総数11Mでわると、1REPあたりの配当が18円/年です。

ただし、これは単年度の配当ですから、株式のように将来の配当までを含めた現在価値にすると、たとえば、PERが5倍と保守的にみつもった場合、1REPあたり90円くらいになると思います。

これはシェア1%のシナリオなので、もしAugurが当たって、シェア10%になるなら、この額も10倍になります。プロトコルですから、採用比率はもっと高くなる可能性もあります。また、PERをもっと高くとって20倍にすれば、更に4倍になります。そのようなシナリオでは、1REP=3,600円以上ということになります。

以上の数字はざっと調べただけなので、これらの数字が本当に妥当かどうかは、必ずご自身で検証されてください。

<リスク>

最後にリスクについても検証しておきます。もちろん、Augur自体がちゃんと流行るかというリスクはありますが、それ以外の外部的なリスクをあげます。主要なものは、法律リスクと、イーサリアムリスクです。

・法律リスク

Augur自体はあくまでソフトウェアであり、これ自体が違法ではないと開発者とその弁護士は主張しています。ただし、多くの国において、ギャンブル行為は法律で厳しく制限されているのはご存知のとおりで、winnyなどと同様、ソフトウェアの開発だけで、幇助罪が適用されるかもしれません。

また、国によって法律は様々であるため、とにかくAugurの利用を違法と認定する国も出てくる可能性もあります。

開発者は、もし自分たちが捕まったとしても、一度リリースされた分散ソフトウェアはシャットダウンできないと言っています。たしかにオリジナルの開発者による開発はストップしてしまうかもしれませんが、ソフトウェア自体の利用は止められないといのはそのとおりです。

本件は、カジノ専門家の木曽さんがブログで見解を述べています。参考にしてください。

Augur-胴元のいらないギャンブルは勿論可能ですよ

・報告者の法律リスク

REPの保有者のリポーターは、単に事実を報告するだけなのですが、これが、さきほどのロジックで、幇助であると認定される可能性があるかもしれません。これについては法律のパンドラボックス級の話なので、私には実際それがありうるのかどうかはわかりません。

・イーサリアムのリスク

Augurは、イーサリアム上のソフトウェアです。コードはイーサリアムのコントラクトで書かれ、イーサリアム上で実行されます。

イーサリアム自体がまだベータ版のソフトウェアでして、その完全性やセキュリティは保証されていません。もし、イーサリアムに深刻なセキリティリスクなどが判明した場合、Augur自体も影響を受けることになります。

また、Augurのローンチは、最低でもイーサリアムがHomesteadに移行してからになります。ただ、これは1-2ヶ月程度で予定されているので、問題はないでしょう。

イーサリアムの最終安定版のSerenityは、16ヶ月後を予定しています。それまでは、Augurもイーサリアムの開発進捗の影響をうけます。

・適法リスクの捉え方

ただ、180度視点をかえてみると、合法、非合法の視点は、市場をどこまで取るかによって変わると考えられます。現在でも、賭博が合法な地域もあるわけで、現状のオンラインゲーミングはそういったところで営業しているとおもわれます。Augurもその範囲では、まったくもって合法なわけですから、合法地域のみで稼働を狙うというのだけでもよいという考えもあります。それだけで前述のとおり5兆円の市場が見込めます。

<まとめ>

以上、詳細に検討してきました。私の感想としては、非常に不確定要素が大きく、実際にこれが動くかどうかについては確信が持てません。一方で、ギャンブルの市場の大きさについてもびっくりしており、本当にAugurがメジャーなソリューションなれば、そのポテンシャルは私が想像している以上のものでしょう。計算上は大ホームランも見えます。

REPは配当付きトークンということで、収益が計算できます。そこをどのように読むかというのはそれぞれの判断でしょうが、私は、自分の計算のもとに、購入してみることにします。

最後にもういちど、セールサイトは、こちらになります。日本語にも切り替えタブがあります。

Augur クラウドセールサイト http://japansale.augur.net/ 

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