新規に自社のコインを発行して、これを債務と交換する(Debt Coin Swap)という手法について紹介する

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新規に自社のコインを発行して、これを債務と交換する(Debt coin swap)という手法について紹介する。

取引所などがハッキング被害などを出した場合、手元の現金がなければ、破産に追い込まれる。しかしながら、破産はユーザーにとっても最も避けるべき事態であるため、Debit Coin Swapという手法で会社の存続を検討できる。

これは一昨年、当時最大の取引所であったらBitfinex社がビットコインを盗まれた時に採用された方法で、Bitfinexは事業を継続し、現在ではその債務もすべて返済された。

以下、その説明である。

(コインチェックは保有現金による補償をおこなうと発表したが、本件書き途中だったので、活かしてそのまま公開する)

Debt coin swap

<基本的な考え方>
コインチェック社は、Coincheck Coinを発行して、これを債務と交換する(Debt coin swap)。今後のコインチェック社の利益のなかからこのコインを買い戻して債務を返済する。

Bitfinex社の事例を参考に、実際にコインチェックがDCSを行う場合の概要を示す。

1. まず、XEMコインは全損とし、その損失を全ユーザーが平等に負担することになる。コインチェック社全体の預かり資産の総額がどのくらいの額かは憶測の範囲をでないが(XEMというマイナーコインだけで580億円あることを考えると)、その額は1兆円を超えていてもおかしくない。その前提で平等に損失を負担すると5%程度の損失ということになる

2.コインチェック社は580億円分のコインチェックコイン(以下CCC)を発行し、ユーザーの債権と交換する。ユーザーからみると、自分の預入資産のうち一部(上記の仮定では5%)がCCCに変換されることになる。これによりコインチェック社は債務超過を免れ、事業を継続する。

3. CCCは、コインチェック社の取引所で上場し、すぐに売買が可能とする。現金で回収したいユーザーはCCCをすぐに市場でうることにより(当然値段は当初下がるとおもうので)満額ではないものの、現金を回収でき、損失も確定することができる。

4.コインチェック社がCCC発行で調達した債務を弁済する方法は2つになる。ひとつは、定期的に自社の利益のなかからCCCを市場で買い入れ、償却する。これにより直接的にCCCコイン保持者に弁済がなされる。次に、コインチェックの取引所でのトレード手数料をCCCにて支払えるようにするというもの。これは本来コインチェック社の売上になるべきトレード手数料がCCCコインで支払われるということから、利益から弁済していることと結果的に同じ形になる。

5.仮に事業継続がうまく行かなくなった場合、CCCの価値はゼロになることもあるが、これは再建を選ばず破産や精算を選んだ場合にそもそも損失として債権者には帰ってこない部分であり、債権者としてはこのことで新たな損失が生まれるわけではない

このような形で、事業を継続しながら、弁済を行うとともに、いますぐ現金化したいひとにはそのオプションも奪わないということで、非常に優れた方法である。

債権者にとって最悪のケースは、Mt.Goxのように会社の破産や倒産になってしまう場合である。この場合、預けいれ資産は完全にロックされてしまい、Mt.Goxの場合すでに4年経っているがいまだ弁済のめどが立っていない。法的手続きに進んだ場合、ユーザーは長く辛い整理手続きを踏むことになるだろう。

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