今後DAOの価格はどうなるのだろうか?想定される2つのシナリオ

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DAOについて、いくつか。

140億円相当のETHをあつめて始まったDAOだが、初日のトレードは期待はずれに終わった。

執筆時点(5/31 0:00時点)では、1 DAO= 0.1195 USD、1 Eth= 12.35 USDで取引されている。

募集価格は100DAO=1ETHであった。しかし現在のDAOの値段を100倍しても、11.95ドルにしかならず、ETHの価格を下回ってしまっている。

プレミアどころか、逆ざやである。失望感は大きい。

もちろん、ついさっきまで売っていたものがすぐに2倍3倍になるとは考えている人はいなかっと思うが、セールの最終価格プレミアム(100DAO= 1 .5ETH=17.95ドル)付近で取引されると考えていた。

しかしトレードでは、そのプレミアムは維持されなかった。

現状では、DAOの保持するETHの量だけが評価されており、一切のプレミアムがないばかりか、若干のマイナスになってしまっている。

さて、今後DAOの価格はどうなるのだろうか?

まず、すくなくとも、投資が実行されるまでは、ほとんど動かない、というのが実際だろう。資金がうごかないのだから。

では投資は何時実行されるのか?

現在いくつかのプロポーザルが提案されている。DAOのセキュリティを改善するといったものから、非中央集権の裁定を行うプロジェクトまで多様だ。しかし、DAOでは、投票がおこなわれて投資が実行されるまで49日間を要する。

つまり、あと2ヶ月近くは何もおこらないと予想する。

さて、一旦投資が行われたらどうなるだろうか?たとえば最も有望なSlock.itに、10億が投資されたとしよう(金額はまだ未定なので仮の額である)。

ファンドの残高は7.5%くらい減ることになる。かわりにSlock.itの利益配分権が手に入るが、このとき、DAOの価格はどうなるだろうか。

2つのシナリオがある。

シナリオ・ワンは、Slock.it期待で、上がるというものだ。他のICO案件同じく、投資して、ローンチまでにIOUが高騰したりすることもあり、そういった期待で、DAOの価格が上がる。これが誰もが期待していることだろう。

シナリオ・ツーは、投資実行後も簿価評価になるという理論だ。ファンドのETHが減っただけ、DAO価格も下がる。代わりに得たSlock.itへの配当権はすぐに回収できず、ローンチまで待つ必要がある。そしてローンチ後も、高値で売れるコインがあるわけではなく、Slock.itが収益をあげるまで待つ必要がある。

先のブログでもかいたように、Slock.itを通して収益を得るには遠い道のりが必要だ。かりにSlock.itの収益の1%が還元されるとしても、単純に10億円の元手を回収するには、合計1,000億の売上が立つ必要がある。回収に何年かかるだろうか?

(DAO現在価格は、還元される収益を配当とみなし、これをPER○○倍にリスク・プレミアムでで割り引く。リスクが死ぬほど高いので10倍程度が妥当だろう。すると1/10づつ、10年にわたって還元されるというモデルで考えると、Slock.itに毎年100億の売上が立つことが必要となる)

通常の投資ファンドとDAOの決定的な違いは、DAOはプロジェクトの収益を、長期の配当でしか回収できないことだ。通常のベンチャーファンドは、株を売却するので、利益を確定、Exitできる。DAOの場合、Slock.itの売上が立たないかぎり、配当もゼロで、ファンドの資産も増えない。

さて、シナリオ1と2、どちらになる可能性が高いかは、最初の投資が行われてみないと分からず、予想できない。理論的には後者であるが、暗号通貨界隈は理論では動かないので、シナリオ1でフィーバーする可能性もある。

期待が勝るか、理論に収斂するか。

ただし、期待が勝るなら、現時点でプレミアムがつかない事が気がかりだ。2倍3倍にならずとも、すくなくとも、ICO終了時点のプレミアム価格が維持されるはずだろうに。そうではなく、現在プレミアムがゼロであることとから演繹すると、プロポーザル実行後も、シナリオ2の価格推移(簿価)になる可能性が高いとも考えられる。

なお、収益を無視して、技術的な観点からいうと、興味深いプロポーザルが多い。たとえば、DAOの投票に関して、単純多数決ではなく、レピュテーションシステムを導入し、評価の高い人が影響力もつような投票システムをつくるなどの提案がなされている[1]。

これらは技術開発という意味では有益だが、直接収益を生まない。もしかしたら、こうしたことがEthereumコミュニティ全体の盛り上がりにつながり、ETH価格が上がることで、DAOホルダーもリワードするのかもしれない。(しかし、それならDAOを買わずETHをホールドすれば良いが)

DAOは、ETHコミュニティへのプレゼント、投げ銭と考えてみてもよいかもしれない。どうせ大口の原資はICOで手に入れた安いETHなのだから。

[1] 投票システム自体も批判されている。Bitsharesの経験から、多くのひとが投票しなかった。プロポーザル可決には、DAOホルダーの20%以上の投票とその過半数が必要だが、投票率が20%に達しない可能性もある。投票システムを変えるのにも、20%の投票率が必要だ。

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