楽天金融カンファレンスに参加してみて

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

楽天金融カンファレンスに参加してきました。

ペイパル協同創業者のピーター・ティール氏が登壇するなど、豪華な顔ぶれで、本気度が伝わってきたイベントでした。

簡単にビットコイン部分の私見。

・ビットコインは、やはり、まだ、ほとんど理解されてない

マウントゴックスの影響とか、中国取引所の破綻とか、そういう話が未だに語られる。ビットコインはリスクがあるのでは?といった話から入る。

一般大衆の視点ではそうなのかもしれないし、あえてそういう質問からはいって、いやそうではないよとパネラーが回答するということなのだとうけど、まだそういう感じのみられかたを脱却できてないという点で、なかなか先は遠いなと思う次第。

なおビットコインを何らかの形で触れたことがあるというひとが、500人の会場で20名足らずの挙手。ブロックチェーンを知っているというのはさらに少なかった。

金融の最先端カンファレンスでこの状況というのは、日本の周回遅れ感は否めない。

・ブロックチェーンは、最も重要な技術

多くのパネラー(海外のかた)が、ブロックチェーンは極めて重要な技術で、多くのイノベーティブなことがこの周辺でなされるだろう見解でほぼ一致。この認識が共通していることについては、逆に驚いた。

ただ、ブロックチェーンは、ビットコイン(ですら)まだ実用的な用途が見つかっておらず、どうしていいのかわからないというのが本音のようだ。

・規制との兼ね合い

金融業界のベンチャーが難しいのは、はやりこの業界は政府の規制と密接に結びついていること。

ピーター・ティール氏の話で、アントレプレナーシップは金融業界でもかわらないが、より多くの資本が必要になるだろうということ。政府の規制に対応するだけでも億単位のカネがかかる。資金調達力が企業の成功に直結する面がある。

・楽天はビットコインを導入するか?

三木谷氏は、ビットコイン決済はいずれ導入することになると言っていた。ただ、ビットコインの可能性が云々というより、あらゆる決済手段に対応することは大事であり、ビットコインではそれほど物が売れるとは思えないから、試しに導入しても問題ないだろうということと読める。

法制上も、ビットコイン決済をおこなうことで何らかの法律に触れたり問題がおこることは無いと考えており、楽天市場がビットコイン決済を行うためには、なんらのハードルはないということが明言した。

これは、非常に、業界を勇気づける発言だろう。

ただし導入時期は答えてくれなかった。企業秘密とのこと。

・ビットコイン関連の会社は銀行口座がつくれない
三木谷氏に対して、楽天銀行では作ってくれないのか?という直球の内容を、斎藤弁護士が質問した。非常にすばらしい質問で、リスペクト。

回答としては、銀行はそれなりの事情があるのでなんとも言えないが、楽天市場自体がビットコイン決済をするにはハードルはないということ。

おなじ企業グループとはいえ、別々の法律で規制されているわけだから、そのあたりは致し方ない面があるとはいえ、楽天がもしビットコイン決済を導入したあかつきには、楽天銀行でもビットコイン事業者の口座を開設できるようにしてもらいたいものだ。そうでもしないと、ビットコインのペイメントプロセッサーが、楽天銀行宛に円を振込めない。

まとめ

今回は金融カンファレンスということで、fin tech全般の話であったが、それでも、海外のfin techのひとが全員ビットコインについては何らかの形で注目していることには、心強かった。

楽天という社会性のある企業の主催するカンファレンスで、表立ってビットコインについて議論がされたのは、とても素晴らしいことだとおもう。

また、私自身、あまり詳しくなかった他のペイメントテクノロジーなどについての話も聞けて有意義であった。

このような素晴らしい会合を開催した楽天に拍手するとともに、来年以降もぜひ、期待したい。次は、私もパネラーとして招かれるくらいに、ビットコイン界隈での実績を積む必要があると、真摯に思っているところだ。がんばろう。未来は明るい。

・おしらせ
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