ビットコインのイノベーションの本質

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインを解説ビットコイン研究所

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昨日の、日経新聞電子版(発行者なき通貨ビットコイン 世界で「採掘」続々)でも、ビットコインの仕組みについての誤解があった

「もっとも、こうした採掘の仕組みも上限額も誰かが保証しているわけではなく、永続するとは言い切れない。記者が試しに2000円を出して購入した0.026ビットコイン。スマホを見ながら「あした、このビットコインが消えていたら」と少し不安になった。」

採掘上限を誰かが保証していないから不安といった部分は深刻な誤解だ。記者は、仕組みについての無理解の不安で記事を書いているようにしか思えない。

そもそも、この記者のように、ビットコインへの疑念は、

「管理する中央の権威付けがないのに、どうして取引や、全体の仕組みを保証するのか?」

という点に集中しているようにも思える。

誰も管理していないのに、どうしてビットコインの残高が正しいと保証されるのか?どうして誰から誰に送ったといったことが将来にわたって正しいと保証されるのか?改ざんされたりしないのか。コインの発行数に上限があるというのに誰がそれを保証するのか?

誰も管理しておらず、信頼できる権威付け機関が無いのだから、将来にわたってこれが保証できるとはいえない。という誤解。

これはトートロジーである。

というのも、ビットコインのイノベーションはまさにそこにあるからだ。

ビットコインとは、信頼できる権威付け機関が全くない環境にも関わらず、AさんからBへの所有権の移動を、ネットワーク参加者全員が疑いなく検証できる形で取引を実現する仕組だ。それは安全でセキュアであり、偽造が不可能だ。

誰も保証しないというのも間違いで、ビットコインはP2Pを利用するネットワークであり、だれか中央の一つの機関が保証するのではなく、ネットワーク参加者全体の多数決によって保証されている。

だから、信頼できる中央機関がないという指摘は、トートロジーだ。所有権の移動を、信頼できる中央機関をなくして実現したことに、イノベーションの本質がある。

ネットスケープのマーク・アンドリーセンが指摘するように、このイノベーションの本質は深遠だ。

ビットコインは、現在はお金のように使われているが、このプロトコルの本質は「第三者のオーソリティによらない所有権移転登記」ということなので、なにもビットコインに限定する必要はない。ビットコインはひとつのアプリケーションに過ぎない。所有権や移動という概念が絡むものであれば、応用を拡大できる。ビットコインは、新しいお金の発明ではなく、新しいアルゴリズムの発明である。

デジタルマネー協会理事がマイアミのビットコインカンファレンスに参加し、最新のアメリカの状況を視察してきた話を聞いたのだが、ビットコインのテーマは次のフェーズに移っている。

スマートコントラクトや、カラードコインといって、ビットコインの取引の中に、スクリプトを埋め込みプログラマブル可能にする技術だ。

この拡張により、ビットコインの取引のなかに、いろんなものを埋め込むことができる。コインの貸し借りの契約書でもいいし、他の契約でもいいし、株券や、有価証券、その他の証券でもよい。特定の情報を、ビットコインの取引に埋め込むことで、信頼できる第三者を介さなくても、その契約がなされたことを、将来にわたって保証でき、だれでもそれを検証できる。

たとえば株券であれば、名義書換人といった中央機関が管理しなくても、株券の所有権の証明と譲渡をビットコインの帳簿上に実現することができる。

これらのイノベーションの破壊力はとてつもないものだ。

ビットコインの通貨としての機能には欠陥があるかもしれないし、現在の通貨のもつ諸問題を解決していないが*1、通貨としてみるのではなく、ブロックチェーン型の登記基盤として考えれば、社会の強固な基盤になることも考えられる。

*1 ビットコイン ─ 人間不在のデジタル巨石貨幣 http://member.wide.ad.jp/tr/wide-tr-ideon-bitcoin2013-00.pdf

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