ビットコイン・クラシック、ハード・フォーク、Segwitまわりについて。

研究所レポート「ラズベリーパイによるビットコインフルノードの立て方」(23ページ)を配信しました。レポートへ

研究所レポート「仮想通貨交換業者に関する内閣府令(案)の公表について」」(24ページ)を配信しました。レポートへ

詳細日本語マニュアル付きTrezorの購入はコインギフトから

ビットコイン界隈がまたブロックサイズで議論が紛糾しています。

簡単にどういう状況かを解説します。

マイク・ハーンのビットコイン死亡宣言と同じくして、ビットコインクラシックというものが立ち上がりました。これは、ビットコインのブロックサイズの上限を2Mに増加させるものです。

もう一方は、Segwitという機能です。これはひとことで言うのは難しいのですが、ビットコインのブロックのなかから、通常のひとは使わないデータをカットすることで、ブロックサイズを下げようという考え方です。先日、実装がテストネットで稼働しはじめました。

つまり、ビットコインクラシックか、Segwitか、という感じになっています。

それぞれの内容をもう少し詳しくみてみます。

ビットコイン・クラシック

これは、現状のビットコインのブロックサイズを1Mから2Mに変更したものです。まさに、その1行だけを変更したものだといえます。(将来的には、より積極的な機能を取り込んでいく開発方針と見受けられます)

blocksize

https://github.com/bitcoin/bitcoin/blob/3038eb63e8a674b4818cb5d5e461f1ccf4b2932f/src/consensus/consensus.h#L10

ちなみに上記が、そのブロックサイズをハードコードしている部分のソースコードです。これをが2000000になったのが、ビットコインクラシックです。

2Mという数字はこれなら問題はおこらないという線で、先日の香港のスケーラビリティ会議で確認された数字とおもいます。また、多くのマイナーも2Mは受け入れられると表明しています。

一方で、ビットコインクラシックの採用には、ハード・フォークが必要です。ハード・フォークを行うと、過去のバージョンとの互換性が全くなくなりますので、一斉にすべてのマイナーや、ノード、ウォレットなどが、クラシックに対応することが求められます。

https://bitcoinclassic.com/

Segwit

Segregated Witnessは、署名の分離と訳され、ブロックの中の情報から、普通のクライアントはつかわない電子署名の情報をカットします。それによって、ブロックにふくまれる情報を25%まで圧縮できるというものです。これによって、ハードリミットの変更なく、理論的なブロックサイズが増えます。

また、Segwitは、ブロックサイズ圧縮以外にも、2つの懸案を解決する提案を含んでいます。

・マリアビリティの解決

ビットコインの仕様の欠陥といわれたトランザクション・マリアビリティ(展性)を、完全に解決します

・柔軟なソフト・フォーク機能の実装

ビットコインの仕様に変更が必要なとき、柔軟にソフト・フォークだけで対応できる基盤的な対応です。たとえば、楕円暗号の電子署名にセキュリティの問題があったというようなことが発見された場合、より強固な暗号にスムーズに以降できます。

一方、Segwitは、かなりの仕様変更を含んでおり、ウォレットソフトウェア側でSegwit実装の対応が必要です。ただし、旧来のウォレットでも互換性がありますので問題はないとされています。

 

https://bitcoincore.org/en/2016/01/26/segwit-benefits/

論争

以下、私の見解です。

ブロックサイズをめぐる論争はまだ決着がつきません。2Mへの早期拡張をねらったクラシックが票をあつめていましたが、コア側からは予想をこえるスピードでのSegwitの実装がなされて、テストがはじまることで、ボールが投げかえされたと理解しています。

個人的には、ハード・フォークは避けるべきです。話し合いで決着がつかないので、ハード・フォーク敢行というのでは、結局は戦争で決着するようなものです。

私個人的には2Mのブロックサイズは賛成で、問題もおこらないと考えており、技術的な見地では2Mには賛成です。

しかし、ガバナンス上は、これは相当の禍根を残すでしょう。意見が割れた場合、ハッシュパワー投票という力で解決するというガバナンスをビットコインは取ったという歴史を刻みます。ようするに、革命や戦争を許容するというガバナンスを認めたことになります。これは、ガバナンス的には終わりで、将来的に多くの人が受け入れるときの障害になるでしょう。

世間にとっては、技術的な問題より、ビットコインのガバナンスが正常に機能するかを観察しています。ルールや手順のないガバナンス体制だということがわかれば、技術的な死より、社会的な死が待っているでしょう。

最もよいのは、Segwitの実装を優先し、夏以降か、今年いっぱいくらいでの2Mへのハードフォークを、一致のもとにスケジューリングするということです。ビットコインコア側がこのスケジューリングを示せば、問題は収束すると思います。

次善の策は、クラシックを採用するか否かを、ハッシュパワー投票に掛けるということを、コアも認めることです。つまり戦争ではなく、国民投票をして決めるという手順を認めることです。これであれば、ガバナンスは維持できるでしょう。

いずれにしても、本件は多くの人が指摘するようにビットコインのコミュニティが本当に賢明かどうかを試す、ハードルの高い試練です。

より詳細を理解されたい方へ

スケーラビリティの問題については、ビットコイン・ブロックチェーン研究所の有料レポートのほうで、継続的にこの問題を取り上げております。下記のレポートが配信済みです。

「ブロックサイズ論争と、その影響範囲。ハードフォークとはなにか?」

「続・ハードフォーク。ビットコインのハードフォークが招く最悪の事態とは?」

「スケーリングビットコインまとめ:ビットコインはスケールするのか?香港の会議ではどのような結論が出たのか?」

「マイク・ハーンのビットコイン失敗宣言は本当か?」

ご興味のある方は、こちらから登録後、お読みください。

Donate with IndieSquare

このブログでは読者の皆さんとのつながりを作る実験としてトークンを配布しています。
※記事が役に立った場合は、寄付ボタンをクリックして、ぜひ寄付をお願いします。寄付額相当のDOUBLEHASHコイン(詳細説明)を送付いたします。
コインを受け取るには、IndieSquare Walletからお送りください。