スケーリング・ビットコイン・ミラノから、ビットコイン技術の最新動向について

研究所レポート「ラズベリーパイによるビットコインフルノードの立て方」(23ページ)を配信しました。レポートへ

研究所レポート「仮想通貨交換業者に関する内閣府令(案)の公表について」」(24ページ)を配信しました。レポートへ

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さて、先々週に行われたスケーリング・ビットコインのプレゼン動画を見ています。スケーリング・ビットコインというのは、開発者を中心に関係者が集まり、ビットコインのスケーリングほか、重要な技術的なテーマについて話し合うという国際会議です。

第一回はモントリオール、第二回は香港、今回が三回目でイタリアのミラノで行われました。

これの内容と、このブログ記事の後半で取り上げたテーマについて深堀の解説をサロンのレポートとしてまとめて、今週配信しました。

そのために、いろいろ調べていたということですが、ほんとにビットコインの技術界隈は面白いですね。今まで知らなかった技術や、アイデアがどんどん発表されて、活気があり、オープンソースコミュニティは強いなと思う次第です。

Fungibility & Privacy

スケーリング・ビットコインのテーマは多岐にわたったのですが、全体を俯瞰しますと、FungibilityとPrivacyの問題が今回の会議のメイントピックだったとおもいます。初日のキーノートスピーチがFungibilityとビットコインの取り組みについてでした。

Fungibilityとは日本語では代替可能性とでも言うのでしょうか、すべてのビットコインは同じように見えて足がつかないことが大事であるということです。例えば過去にBitfinexから盗まれたコインを受け経ったり、シルクロードで使われたコインを受け取ったりした場合、これをチェックすることができて、銀行口座凍結みたいに、ビットコイン受取拒否とかそういうことになったら、困ります。

コインのブラックリストや、検閲みたいなことですね。ブロックチェーンは、すべて公開で追跡できますから、こういう懸念も生まれるわけです。

それに対する対策が、ビットコインの生死を分けかねない、ということで、深刻な問題として提起されました。

これについても、サロン内でのレポート、

で解説してますので、詳しく知りたいかたはお読みください。

さて、他には、いくつかテーマがあるのですが、私は次のトピックが面白いと思いました。

  • Segwit
  • Fungibility
  • Lightning Network
  • BIP151
  • Check Output Verify
  • Schnorr Signature

Segwitはみなさんもよく知っていると思うのですが、後ろの3つは殆ど初耳の方も多いのでは?私も初耳の物もありました。

この5つについての詳細の解説は、これまた今週のサロンのレポートをお読みいただくとして、少しだけコメントします。

Lightning

まず、Lightning Networkは、ルーティングについての発表があり、完成には遠いものの、ルーティングプロトコルが存在しないという荒野なレベルから、ルーティングの実証実験をやってる、といった段階までこぎつけてます。また各社バラバラの提案であるルーティングプロトコルの標準化にむけた話し合いも始まりました。

ライトニングに関しては、実用化のハードルはめっちゃ高いわけなのですが、開発者が全力で動いている様子が理解できて、ちゃんと進捗があると感じています。その他、チャネルのモニタリングを第三者にアウトソースするプロトコルなど、実用化にあたってのマニアックな論点もあるのだなと認識しました。

Schnorr署名、MimbleWimble

Fungibilityは、この会議の重要なテーマで、ビットコインとして何ができるかということから、Coinjoinの改良、Schnorr署名、MimbleWimbleといった手法がテーマに上がっていました。

とくに、MimbleWimbleは初耳で、この会議の数週間前数ヶ月前に初めてアイデアが提示されたものだといいます。楕円曲線上の性質を使って、スクリプト無しでトランザクションを作り、承認できるというものです。

Schnorr署名は、ECDSA署名にはない面白い特徴がある署名形式でこれを取り入れることで、ネイティブマルチシグなどが実現できます。つまりマルチシグの複数の公開鍵を1つにまとめて、署名のアグリゲーションが出来るということでした。

BIP151

BIP151は、かなり衝撃的な発表の内容で、皆さんの身近なスマホウォレットに関するセキュリティとプライバシーの話でした。P2Pの通信の暗号化といった問題です。これは最速で取り組んでもらいたい内容と思いました。自分専用のフルノードを立てる案など、示唆にとんだ内容です。

Bitcoin Vault  – Check Output Verify

Check Output Verifyは、新しいOPコードの提案で、これを使うと、BitcoinのVault(金庫)を実現できます。これは、期間をきめてコインを保持しておくアドレスで、このアドレスから盗まれたコインは、なんと取り戻す事ができるようになります。またそれでもやられたコインは、バーンして、誰にも使えなくするということもできます。

盗まれたら終わりというのはビットコインほか暗号通貨の最大の問題とでして、とはいってもDAOみたいに権力で巻き戻しできたら意味ないわけで、別のアプローチからの提案はスマートです。これは面白いです。

という感じで、ビットコインの技術動向にはいつもワクワクさせられます。これを見ると、ビットコインは停滞している、ビットコインは技術的に遅れている、古い、といった批判はかなり的はずれだと思いました。むしろビットコインほどに開発者の層が厚く、細かいセキュリティまで検討され、テストやシミュレーションで検証され、シリアスなお金として実用になるよう真剣に開発されているものは無いでしょう。これを見るたび、未来にワクワクします。

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