イーサリアム・クラシックについて

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

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ビットコインに失望し、イーサリアムに未来を見た人により、イーサリアムが躍進したのが、今年前半の動きだった。

ビットコインへの失望は、コミュニティの分裂や、ビットコイン・クラシックをはじめとする合意されていないハードフォークの提案など、コミュニティがまとまらないことを嫌気にさしたものであった。

まさか、逃避先のイーサリアムのほうが、現実の分裂を先に実現するとは思っても見なかっただろう。

イーサリアム・クラシックは、ハードフォークに賛成していない人が立ち上げたプロジェクトだ。DAOの救済を否定し、中央の介入を否定する。分散型、検閲の否定といった理念を掲げている。

イーサリアムのハードフォークは、ほぼ100%近い人が賛成するという圧倒的な形でスムーズに行われたように見えた。少数の人が抵抗のために立ち上げたと思われたイーサリアム・クラシックは、当初ハッシュパワーの1%程度を得ただけで、そのまま消滅すると思われた。

しかし、昨日突如Poloniexがイーサリアム・クラシックの取引を始めると、ハッシュパワーは上昇し、それに合わせるように価格は乱高下しながらも、ETHに対して、4%-5%近くになっている。

イーサリアム・クラシックは無視できるのだろうか?

ヴィタリック氏のアイデアに基づき、オジリナルのイーサリアムを実装したGavin Wood氏は、昨日ツイッターで、Classicクライアントの開発を行うと宣言した。これには、Classicはすぐに消えるだろうと考えていたひとにとって青ざめる話となった。

オリジナルの開発者がClassicに手を貸すとは、まさにビットコインで行われたような騒動が始まっていると考えられる。

クラシックが、どのようになっていくかは分からないが、オリジナルの開発者の支援をうけ、一定のコミュニティを確保できれば、それなりに存続することになるだろう。仮にも20%くらいのハッシュパワーを得ることも考えられるかもしれない。

長期的には、Ethereumはプラットフォームであるから、どちらのプラットフォームにアプリケーションが多く作られるかに価値がかかってくる。現在クラシックでアプリを作るという人は現れていないが、今後、両方のプラットフォーム向けにアプリをローンチすると宣言するひとも出てくるかもしれない。

ハッシュパワーも、もしクラシックとの間で割れることによて、ハッシュパワーが相対的に低下すればセキュリティも低下することになる。

ビットコインのハードフォークの話でも、2つのプラットフォームが競争するのが健全で、よいことだとする意見の人も多かった。なんで2つあってはいけないのだ?自由に競争すれば良い。沢山のフォークがあっって、マイナーが選択すればよい。そういう議論があった。

また、ハードフォークで、コインが2つに別れた。ハードフォーク以前にETHを保有しているひとは、新版のETHと、クラシック版のETH(ETC)の両方として使うことができる。両方のチェーンで使うことができるという状態になっている。

まさに、ビットコインが踏みとどまった実験を、イーサリアムが今行おうとしている。この実験の結果、どういう結果になるにしても、他のコミュニティにとっては、大きな学びを得ることになるだろう。

ただし、現在起こっているのはユーザーにとっての混乱であり、対立の激化である。結局、ビットコインの論争のようになれば、イーサリアムはもうダメです、という捨て台詞を残して、ヴィタリックがコミュニティを去るかもしれない(笑)

なお、価格の推移は分からないが、現在の時点での投資は避けたほうがいい。クラシック版コイン(ETC)に関して言えば、ハードフォーク以前のホルダーはタダでコインがもらえた格好になっている。ヴィタリック版を支持するひとは、このようなコインは不要だから、さっさと売ってしまうに違いない。もし、ハードフォーク支持者が圧倒的多数なら、それらのひとの売り圧力は巨大なものとなるだろう(価格に関しては、そのような大口ホルダーの売り攻撃も可能だ)。

将来的にクラシック版が一定の地位を占めると予測している人も、売り一巡して、クラシック開発コミュニティの成熟を待ったほうがいい。

なお、私は、クラシックのほうを支持する。自分たちのミスであるDAOの失態をハードフォークでリカバーし、それを「偉業だ」といってのけるセンスには、どうしても賛同できない。

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