ビットコインの「送金」についての基礎知識

レポート「ビットコインキャッシュの取り出し方&送金方法」を配信。画面付きで丁寧に解説

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ビットコインについて、それでもまだよくわからないという声がおおい。多分、送金のところのイメージがつかめないので、意味不明に陥っていると思う。

今回の事件を理解するにあたっては、ビットコインの送金の部分がどうなっているのか、理解することが肝要であろう。これがわかると、だいぶわかると思う。議論や、取材の一助になればとおもう。

Q ビットコインの送金はどうやるのか?

ビットコインの送金は、相手先のビットコインアドレスというものを指定することで送ることができる。ビットコインアドレスは世界中で固有のもので重複がない。よって、一意に相手に送金できる。

Q 相手をダイレクトに指定できるということか?

そうだ。メールアドレスや、ツイッターの@のようなものだ。インターネットの世界で唯一の重複しないアドレスに送る。

Q すると、どこの銀行の口座だとか、国がどうだとかという概念がないのか

そうだ、ツイッターのアドレスに国の概念が無いのといっしょだ。識別は、ビットコインアドレスだけだ。

Q 具体的にビットコインアドレスとはどういうものか?

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といった文字列だ。これを指定する。なお、QRコードの形でも示すことができる。これはスマホで読み込むことができる。上記のアドレスのQRコードは、こんなかんじになる。

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Q ビットコインアドレスで本人特定はできるのか?

上記のような文字列なので、固有のものではあるが、そのアドレスが誰の所有物でコントロール下にあるかはわからない。たとえば、先ほどのものは、私がそうだといったので、私のものであることはわかるが、そう教えてもらわない限り、第三者が知ることはできないだろう。

Q もう一度確認するが、ビットコインを送るのに、ビットコイン銀行やビットコイン交換所を経由する必要はないのか?

ない。相手のコンピュータの財布に直接送ることができる。それがP2P(ピア・ツー・ピア)という意味だ。ビットコインの新規性はそこにある。
ビットコイン送金の銀行に相当するものは存在せず、ビットコイン交換所を経由する必要はない。

Q ビットコイン交換所が銀行口座のようなものを持っていて、それでビットコインの送金を仲介しているのではないのか?

ちがう。ビットコイン交換所は送金には一切関係ない。

Q では、ビットコイン交換所とはなにか?

ビットコインと、現実の通貨(円、ドル)を交換するようなFXだ。
ビットコインを買いたい人、ビットコインを売りたい人を仲介する。ドル、ユーロ、円、人民元、カナダドル、香港ドル、ルーブル、多種多様な通貨で売買がなされている。

Q 交換所は誰が運営しているのか?

民間の営利会社がビジネスとして運営している。彼らは、顧客の注文を取りつぎ、手数料を得て儲けている。証券会社やFXと一緒だ

Q 交換所はいくつあるのか?

30以上はある。世界中にある。日本、カナダ、香港、中国、スロベニア、ロシア、タイ、シンガポールなど。

Q 交換所はグルなのか?同じ資本か?

いや、それぞれ独立の事業主体だ。それぞれが勝手にやっている。

Q ビットコインは、送金サーバーみたいなのがあるのか?サーバーはだれが運営しているのか?サーバーが壊れたらどうなるのか?

ビットコインはP2Pという仕組みでうごいており、送金サーバーというものはない。バケツリレーのようなイメージで、ユーザーのPCなどをバケツして送金される。途中のバケツを持つ人はだれでもよく問わない。誰もがサーバーになり、役割をになっているのがビットコインの仕組みだ。
ビットコインはインターネットのようなネットワークであり、ネットワークなので中心もない。よって、ネットワークの一部が壊れても、迂回したり、あとでつながれば送金できる。
#テクニカルに説明しないと正確ではないので、これはイメージと捉えてください

Q ビットコインを保有するにはどうすればいいのか?

ビットコイン財布というソフトウェアを使う。これは、windows, mac, linux版のアプリケーションのほか、webのクラウド版もあり、またスマホ用のandroid版もある。
特定の会社のものを使う必要はなく、まだ数は少ないが各社のものがある。
好きなものを利用できる。

例えば、webのクラウド版→
https://blockchain.info/wallet

android版 →

Q ビットコイン財布というのが、ビットコインを貯めておくところか

そうだ。それが個人のいわゆる口座にあたる。

Q ビットコインは、手元におけるのか?

PCのハードディスクの中に置いておくことができる。

Q 銀行口座を手元においておけるようなものか?

そうだ。電子財布は個人のもとに置いておくことができる。

Q ビットコインを使うには、どこに登録して、ログインすればいのか?

ビットコインの元締めはいないので、サイトにログインして使うわけではない。前述のとおり、すきな電子財布のソフトウェアをインストールし、そこにビットコインを送る。

なお、クラウド上の電子財布も存在し、それはサイトにログインする形をとるが、そのサイトがビットコインの元締めなのではない。

Q ぜひ送金をためしてみたい

希望者には送金体験をしたい方のために、現在、少量のビットコインを無料で配布している。くわしくは、。

Q ハードディスクがクラッシュしたらビットコインは失われるのか?

そうだ。永遠に失われる。正確に言うと、コインは存在はするが永遠に使うことができない。

Q コンピュータのウイルスなどで、個人のPCからビットコインが盗まれたりすることはあるのか?

ある。

Q だれかがPCやスマホを操作するなどやられたら終わりか?

現状では終わりである

Q セキュリティが心配だ

ビットコイン財布のセキュリティをどう守るのかというのが、現状のビットコインの仕組みの最大の問題点だ。進歩が待たれる。

Q 不正に送金されたら、戻ってくるのか?

戻ってこない。戻す方法がない。
途中に銀行や交換所を挟まない方式のため、戻す方法がない。
もちろん、相手がだれかわかり連絡がつけば、交渉して、送り返してもらうことはできる。ただ、それは人間のレイヤーの話であって、システム的に送金をキャンセルすることはできない。

Q ビットコインの保管は難しいのではないか?

その通りである。ビットコインの最大の難点はそこにあり、解決されていない。
この点は、問題視されており、安全に保管できる手法を開発すること自体がビジネスとして成り立つだろう。

Q 安全に保管するにはどういう方法があるか?

インターネットにつないだPCに保管するのは危ない。それをホットウォレットと呼ぶ。

安全なのは、インターネットに接続していないものに保管することだ。たとえば、USBメモリに記録し、それを物理的に金庫などの入れておく。こうした財布を、コールドウォレットという。

USBメモリは破損することがあるので、もっとも確実な方法は、紙に印刷することだ。これはペーパーウォレットと呼ばれる。これを金庫などに入れておくのが安全だ。

Q Mt.Goxにビットコインを預けるにはどうすればいいのか?

Mt.Goxが指定するビットコインID宛に送金する。

Q そうすると、Mt.Goxなどの取引所にビットコインを預けるといっても、彼らに送ってしまうということか。

そうだ。彼らのビットコインIDに送ったあとは、顧客はそのコインのコントロール権をうしなう。そのコインを再び移動することができるのはMt.Goxだけだ。

概念的な意味で、そのコインが、もともとだれのものだったか、だれの所有物なのかという意味では、Mt.Goxにあずけているコインは、顧客のものだ。ただ、技術的には、それはMt.Goxのコントロール下にあり、顧客はそのコインには一切なにもできない。その意味で「預けている」という言葉は注意が必要だ。

Q そういう預かりは問題が多いのでは?

なので問題がおこった。今後は、預けていても彼らのIDに送りきってしまうのではなく、顧客がコントロール権を失わないような技術的な仕組みを提案している人もいる。今後はそうした方法が望まれる。

Q ビットコインの取引は記録が残らないのか?

誤解である。むしろ反対だ。ビットコインの取引はすべての記録が残る。
ただし、先程もいったように、ビットコインIDと個人情報が紐付かない限りは匿名だ。ただし、どのビットコインIDから、どのビットコインIDに、いついくら送ったかは、正確に記録が残る。この記録は消せない。改竄できない。

Q どこに記録がのこるのか?
ネット上に魚拓としてのこり、消すことも改竄もできない。誰でも閲覧できる。

たとえば、このような財布を閲覧することができる。
https://blockchain.info/address/1FfmbHfnpaZjKFvyi1okTjJJusN455paPH

Q この記録はなにか?

これは、FBIが操作し差し押さた麻薬犯罪組織のビットコイン財布だ。

Q 丸見えだが・・・

そのとおりだ。

Q これが見えてしまったら、ビットコインはつつぬけではないか?私の財布もつつぬけか?

つつぬけだ。但し、どのアドレスが貴方のものかを知ることができればだ。

Q これは隠蔽できないのか?

できないし、偽造も不可能である。

Q なぜ偽造が不可能だといえるのか?

トートロジーになってしまうが、それを不可能にする計算機科学のアルゴリズムがビットコインの発明である。

アルゴリズムは此処で書くには余白が少なすぎるので、今後の解説を期待しておいて欲しい。なお、論文は、ここで読むことができる。

Q ぜんぜん匿名ではないではないか?

ただ、ビットコインアドレスは無限に生成できる。匿名性を好む人は、取引毎に新しいアドレスを作成して、それで受け取りを行う。

Q なぜFBIはこれが麻薬組織のものとわかったのか?

詳細はわからないが、そういうことを解析する専門の部署があるのだろう。実際には、この財布の持ち主を逮捕して、ビットコインを押収した。

Q これが公開されていたら、だれでもコインを使うことができてしまうのではないか?

いや違う。この公開情報とは別に、そのビットコインIDの残高を使う(送金)するための固有の秘密鍵が必要だ。それは、ビットコインIDの持ち主しか知ることができない。

Q その鍵はどこで見ることができるのか?

通常は電子財布ソフトウェアで管理されているので、扱うことはない。ただ、それを表示するという機能があるので、それを使えば表示される

Q 秘密鍵をぬすまれたらどうなのるのか?

それは、すなわち、ビットコインを盗まれたのと同義だ。
その秘密鍵を知れば、好きなアドレスにそのコインを送金できる。

Q 盗むというのは、不正送金のことか?

そうだ。自分のビットコインIDあてに、他人のコインを不正に送金してしまうことだ。ビットコイン自体は形がなく盗めないので、自分のビットコインIDに送金することで盗むということになる。

Q では、その犯罪の履歴がのこるのではないか?

そのとおりだ、盗難の送金があれば、それは記録として残る。

Q Mt.Goxは本当にサイバー攻撃でコインを盗まれたのか?

(個人的意見)

Mt.Goxはサイバー攻撃により顧客のコインをすべて失ったとあるが、証拠はしめされていない。

ビットコインでは盗難の履歴も公開なのだから、容易にその証拠をしめすことができるはずだ。まずは、この部分の説明がきちんとしないと、債権者は納得いかないだろう。

Mt.Goxは、盗まれたという財布のビットコインIDを公開すべきだ。

ビットコインユーザーの最大の関心事は、Mt.Goxの破綻そのものではなく、その80万BTCがいま、どこにあるのか?ということに尽きる。

以上です。

取材などで、他にも質問があれば受け付けます。
ご連絡ください。 or @tyk97 です。

日本デジタルマネー協会 フェロー 大石哲之

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