カテゴリー別アーカイブ: 解説記事

Ethereum(イーサリアム)が本日リリース。マイニング、取引方法、今後の見通しについて。

Ethereum(イーサリアム、エセリウム)が本日リリースされた。

Versionが1.0となり、最初のブロックが生成されて、ネットワークが稼働した。Kraken, Gatecoin他、いくつかの取引所で、取引が開始された。 続きを読む Ethereum(イーサリアム)が本日リリース。マイニング、取引方法、今後の見通しについて。

ブライスマスターズが描くブロックチェーンの銀行業への応用

デジタルアセットホールディング社のブライス・マスターズが、ここのところ多くの発言をしているようだ。

ブライス・マスターズは、JPモルガンにてCDSを考案し、リーマンショックの元凶を創りだした人といわれ、金融業界では有名だ。 続きを読む ブライスマスターズが描くブロックチェーンの銀行業への応用

Ethereumは今週金曜日午前中くらいにリリース

公式ブログによれば、Ethereumは、金曜日にリリースされる。

どのようにしてリリースされるのかについて、簡単なまとめを行う。

すでにソフトウェアは用意されており、あとは、ジェネシスブロック、つまり、ブロックナンバー1、最初のブロックを全員が読み込んで、そこからマイニングをスタートさせれば、Ethereumはローンチする。 続きを読む Ethereumは今週金曜日午前中くらいにリリース

ビットコインによるマイクロペイメント事例考察ー1秒単位の動画課金Streamium

ビットコインによるマイクロペイメントの事例考察。

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https://streamium.io

今年の初夏にベータ版がローンチしたStreamiumは、P2P型の動画配信サービスで、ビットコインによる少額課金ができ、従来の課金システムとは全く違う方式を実現しており、革命的だ。 続きを読む ビットコインによるマイクロペイメント事例考察ー1秒単位の動画課金Streamium

「予測市場」ビットコインのキラーアプリの可能性

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ビットコインやサイドチェーン、Ethereumなどの基盤の上に、「分散型予測市場(distributed prediction market)」が今年中に幾つか立ち上がりそうだ。

ビットコインは、まだキラーアプリがないといわれてるが、予測市場は成功すればその候補となり得るだろう。

予測市場とは、一種のギャンブルで、世の中のある未来について人々が予想を行う。

例えば、次の米大統領選挙でどちらが勝つか、次のワールドカップで度の国が勝つか、などを対象にして、ビットコインなどの仮想通貨で掛ける。

いわゆるオンラインブックメーカーに近いが、単なるギャンブルの仕組みではない。

ブックメーカーと違うところは、オッズないところと、分散型で胴元がないところだ。

・オッズがない

ブックメーカーの場合、勝ち負けのオッズは、胴元が提示する。次の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝つと胴元が思っていれば、その比率を提示するのは胴元だ。

予測市場では、このオッズ自体を大衆が予想する。ヒラリーが勝つと思う人が多ければ多く、掛ける人が多ければ多いほど、ヒラリーのオッズは高くなる。

つまり、これは大衆による未来予測だといえる。みんな自分をカネをかけるので、真剣に予想するようになる。

独立して予想する人が十分多ければ、その予測は、専門家の予測よりも精度がよくなるという、Wisdom of Cloudという統計的な証拠も存在している。

みんなの意見は案外正しい(ジェームス・スロウィッキー)

・分散型である

今回の予測市場は、分散型である。つまり、胴元が存在しない。ビットコインのように、中央の管理機関なしに動く予想市場なのだ。

これはどういうことか?賭け事は胴元がつくるのではなく、ユーザーが好きに立ち上げることができる。そして、スマートコントラクトの技術により、掛け金は、ブロックチェーン上でエクスローされ、結果にしたがって、自動的に分配される。

お金を持ち逃げできず、人間が分配するのではなく、プロトコルが自動的に分配する。これ自体がDAO(自立分散組織)である。

予測市場は、過去にもいくつか実験されてきたが、胴元が存在したため、何回も政府による取り潰しにあった。たとえば、テロが起きるかどうかといったことが予測の対象となり、予測が事実を引き起こしてしまうリスクがあることが指摘されている。

今回は、ビットコインのように胴元が存在しないため、シャットダウンにあわないと開発者たちは提唱している。

・分散型で事実を認定する

さて、賭け事が行われたあとに、たとえば大統領がどちらが勝ったかを認定する必要がある。コンピュータの世界の入力としてつかう、現実の世界の事実のことを「オラクル(信託)」と呼ぶ。*データベースの会社とは関係ない

予測市場の最大の発明は、このオラクルを、分散型で行うことだ。

胴元がないのだから、だれか一人が認定するわけにはいかない。分散型で、参加者全員で、どの事実がおこったかを合意に達する必要がある。

詳細は、別の記事で書こうと思うが、簡単にいうと、正しい事実を報告したほうがリワードを得られるというインセンティブの仕組みをつくる。正しい事実を報告すれば、儲かり、嘘を報告すれば損をする。正しい事実を報告する正直者が51%以上いれば機能する。ビットコインのマイニングに似ている。

・応用

予測市場の仕組み自体は、アプリケーションではなく、プロトコルだ。最初の応用は、ギャンブルサイトということになるだろうが、これはもっと汎用的に使える。

たとえばデリバティブはまさにこの予測市場の仕組を金融にしたものである。天候デリバティブや、将来の為替の予測など、それに賭けるひとが十分大きければ、デリバティブとして機能する。

そして、それは、つまり、保険としても機能するということになる。

ズバリ言って、P2Pデリバティブ、P2P保険のプラットフォームであると言ってもいい。

・実装

予測市場プロトコルの実装自体は、いまのところメジャーな2つが進んでいる。

Augurは、Ethereumをベースにした実装で、現在コードが上がっていて、プロトタイプが動いている。

Truth Coinは、Sidechainを使った実装で、開発の状況は把握していないが、予測市場プロトコルの最初の提唱者が行っているプロジェクトである。

ブロックチェーンでアートの所有を確認するAscribe.io

ブロックチェーンの応用に、所有権の移転や確定という概念があるが、それをアートの所有に応用したサービスが誕生した。VCから2百万ドルの調達をしたと報じられている。

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Ascribe.io

アーティストはAscribeにデジタル・アートの作品を登録し、あたかもビットコインのように、アートを所有したり、所有権を移転させたり、ブロックチェーンで履歴を確認したり、所有者を確認することができる。

登録できるのは、デジタルな作品(画像、映像、その他デジタルメディアであれば)を受け付けている。

ためしに早速私もアーティストとして、作品を登録してみた。

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作者、製作年、タイトルを登録し、作品をアップロードすると上記のように登録できる。なおこちらは、私が過去に作った「waterfall」という写真シリーズである(笑)。冗談ではなく真面目なアート作品である。

エディションが指定できるので、今回は、限定10枚とした。

とても賢いソリューションだと感じるのは、これは、デジタル画像の偽造防止システムではないということだ。

登録した画像にコピープロテクトをかけてオリジナリティを保証するという方向性ではない。

そのかわり、Ascribeで出来るのは、「作品証明書」の発行とその移転だ。

「作品証明書」というと一般の人には馴染みがないと思うので、簡単に説明する。

みなさんは、現代美術の映像の作品を美術館などで見たことがあるとおもうが、あれも立派な美術作品で、実際に売買されている。

ただし、デジタル映像となると無限にコピーできる。そういうものに、美術品としての希少価値をもってもらうには、作家が保証して、部数を限定するしかない。

これを「エディション」という。

エディション10なら、10枚のDVDなりをつくって、それに「作品証明書」をそれぞれつける。1~10までの番号入りで、作品が正規品であり、10部限定であることを作者がサインした証書みたいなものである。

デジタル映像はコピーできるが、この証書はコピー出来ない。デジタル映像の作品を売買するときは、この作品証明書に価値がある。この証明書をなくしてしまうと、たとえ映像のDVDが残っていても美術品としての価値はゼロになってしまうという仕組みだ。

この概念で言うと、作品の映像自体は極論をいうと、コピーされてしまっても構わない。証明書の方に価値がある。

Ascribeは、この作品証明書をブロックチェーン上に作成し登録することができ、それぞれのエディションごとに、所有権の移転や、貸出、売買などを行うということができる。

このアプローチは、非常によく考えられていたものだ。デジタルの映像なり画像なりの、それそのものにコピープロテクトをかけて流通を制限するというやり方ではなく、美術業界のフォーマットにのっとって「作品証明書」の方を偽造できないようにするということにしているのは賢い。

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これが私が登録した作品の実際の作品証明書である。アートワークのID、作家名、作品名などとともに、限定のエディションナンバーが記入されており(10/10)、デジタル署名がなされている。

この署名は、ブロックチェーンと紐付いていて、誰もが検証することができるようだ。

作品証明書は、指定したアドレス宛への「移転」のほか、期間をしていした「貸出」もできる機能がある。

ビジネスとしてアートの市場は狭いので、これがうまくいくかは未知数だが、所有権証書の管理プラットフォームという視点でみれば、アートを最初の実装として取り上げたのは上手だ。今後、さまざまなことに応用していくのかもしれない。

なお、先ほどの作品は限定10枚で登録したので、万が一購入希望者がいたらビットコインで販売する。