レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
私としては、white paperなどを読み、本家チームメンバーとも話した結果、有望と判断して、つい数時間前に、それなりの量をまとめて購入した。
なので、本件を評価するにいたったポイントなどについて記載しておく。
ファクトムとはなにか?
簡単にいうと、ビットコインのブロックチェーンを使い、分散型のデータ・セキュリティレイヤー(API)を提供するというプロトコルだと考えて欲しい。
データや、ビジネスプロセスの改ざん不可能な連続する監査をブロックチェーンで提供する。
わかりにくいと思うのだが、以前資金調達したGEMZなどと違い、ファクトムは、アプリケーションではなく、基礎的なプラットフォームレイヤーであるため、一般的にはぴんと来ないだろうが、解説につとめる。
レイヤーという概念は非常に大事だ。これはビットコインのブロックチェーンの上に乗っかる層で、これにより、ブロックチェーンの機能を拡張する。
たとえば、counter partyは、ビットコインブロックチェーン上で、独自トークンの発行や譲渡、配当などを行うことができる拡張レイヤーだ。
同様に、Factomは、ブロックチェーンが改ざん不可能であることに注目し、世の中のFact(事実)に関する証明や、監査、データ・セキュリティなどの拡張機能を提供するものである。
Factomを利用することで、それぞれのアプリケーションに、簡単に、データの完全性や、データの変更履歴などの監査を追加することが出来る。
もっと感覚的にいうと、公証役場や、監査法人を、自動化するような機能を提供するというとわかるかもしれない。。
<なぜこれが重要か?>
Factomで何ができるかというと、一番簡単な機能は、あるデータがたしかに、その時点で存在していたことを証明する。
たとえば、発明のメモなどがその辞典でたしかに世の中に存在していたことを、メモ自体を公表することなく証明するようなアプリケーションを作成することができる。
他には、公証だ。契約書、申込書、注文書、譲渡履歴。確かにそのときに、証明が必要なものに関して、第三者の公証人がなくても、証明が可能になる。
Factomでは、データの更新についても、オリジナルなデータからどのように更新されたかの履歴を保持する。変更履歴は、ビットコインのように、第三者が検証でき、改ざんができない。
Factomの記録はリアルタイムであり、ビットコインのように分散型で、特定の権威によるものではないため、改ざんは不可能であり、履歴はオープンで、だれもが検証できる。
<応用の可能性>
・文書の認証 、存在証明、権利の登記
・電子的な記録、ログの記録
これらの基本的なアプリケーションが簡単に作れるようになるだろう。ただ、ファクトムの応用は、文書を一つ一つ記録するようなアプリではなく、リアルタイムで大量のデータを突っ込めるので、もっと自動的に、大量に処理を行うシステムに応用されるだろう。
例えば、下記。
・ログ
企業においても、たとえば通話記録などのような大量に生成されるタイプの記録で、コンプライアンス上、保管が必要だが、メンテが難しいものをfactomを利用して効率化することができる。株式の取引記録、入出金記録、ほか、多くの個人記録にファクトムを適用すれば、企業のコストは大きく削減できるだおう。
・位置の記録全般(GPS)
ドローンの位置、動作の記録、車、配送の記録などに応用できる
・IoTへの応用
ズバリ指摘できないのだが、個々のデバイスの動きや通信などの記録を証明することに使えるだろう。IoTでは、それぞれのデバイスが自律分散して動くので、それぞれが分散オブジェクトのように振る舞う。
それぞれのオブジェクトの振る舞いを、適時検証したり、記録するニーズが出てくるだろ。
・キーの証明
ブロックチェーンに記録されたキーを参照して、立ち上がるシステムなどが出来る。でよりセキュアなコンピューティング環境が構築できる。
・取引の記録
ビットコイン自体が、まさに改ざん不可能な取引の連続した記録であるが、同様の、連続した取引記録を構築できる。
・自動(自律)プロセス監査 (業務ソフトウェアへの組み込み)
上記を応用すると、業務プロセスなどの監査も可能だ。業務ソフトウェアに組み込むといったことで、自動的、自律的なプロセス監査が可能になるかもしれない。
<どのように動いているのか?>
この記事ではテクニカルな詳細は省くが、データを性質ごとにいくつか分類し、ハッシュツリーにして、まとめるといった作業を、分散ノードがそれぞれ行う。そして、そのルートハッシュを、10分に1回、ビットコインのブロックチェーンに記録する。これにより、ビットコインのブロックチェーンに負荷をかけずに、ビットコインと同レベルのセキュリティを確保する。
Federated serverは、各種データ処理を行うことで、factoidというトークンを得る。これはビットコインのマイニングに相当する。factoidは、entry creditというものに交換することができ、entry creditを消費することで、factomのデータレイヤーに処理を依頼することが出来る。おなじみの分散プロトコルの経済モデルを踏襲している。
<Factomの今後>
今後Factomが受け入れられるかどうかは、Factomのリリース後、これをつかったアプリケーションが育つ2段階ステップを踏むために、時間がかかる。5年程度の時間をおいて、ブロックチェーン上の社会インフラとして定着することを期待している。私は次の3点で有望と見ている。
・分散型アプリ構築に際して必要不可欠な基礎的なレイヤーを提供していること。ブロックチェーン技術の素直な延長であること。そのため応用範囲が大きいこと。
・現在唯一の提案であり、デファクトが取れる可能性があること
・ビットコイン2.0のメインストリームの開発者や、支援チームがバックについていて、本流のプロジェクトであること。
私とFactomの関わりであるが、 として参画した。同じくビットコイナーの、宍戸氏、志茂氏と共に、Factomの日本語ドキュメントや、日本語サポート、開発コミュニティへの情報提供などを役割を担っていく予定である。
ファクトムの資金調達は宣伝しなくても玄人を中心に順調のようである。私も個人的に購入したので、静かに見守るつもりだ。
<Factomのトーク(factoid)購入法>
ファクトムを購入するには、Koinifyというプラットフォームをつかい、ビットコインで行う。それほど難しくない。
詳細な購入方法と、和訳がFactom Japanのページで提供されている。これらを参照して、購入されたし。
ファクトム(Factom) の購入方法 - Factom 日本公式ページ
ファクトムのクラウドセールの説明(日本語訳) – Factom日本公式ページ
なお、私もチームの一員なので、ファクトムについてなにかわからないことや、クラウドセールについての質問などがあれば、私もお答えする。ツイッターや、フェイスブックで質問していただければと思う。
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