レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
本記事は、DAppasとはなにか?なぜ重要か?そして、そのマネタイズについて書く。
Dappsとは、非中央集権・分散型のアプリケーション、Decentralized Applicationsの略である
DAppsとは次の用件を満たすものをいう。(DAppsに投資するDavid JonstonのVCファンドによる定義)
①アプリケーションは、オープンソースであること。オペレーションは自動であり、中央のコントロール主体を持たないこと。トークン、データ、レコード、などにつき、暗号化されて分散化されたブロックチェーンを利用していること。
重要なのは、ソースが公開されており、中央の誰かがオペレーションをしなくても、コードだけにより勝手に動くということ(DAOであること)だ。まさにビットコインなどがそうであり、マイナーがそれぞれに利益を追求するだけで全体の管理者がいなくても、送金オペレーションが動く。
そして、これらはブロックチェーンという技術に基づく。仮想通貨に似ていても、ブロックチェーンに基づかないアプリ(rippleなどの中央のコンセンサスによるもの)は、Dappsとはいえない。
②アプリケーションは、オープンに流通可能な、暗号トークンを持っていること。アプリケーションの利用に際してトークンを利用すること。参加者には、そのトークンによってリワード(報酬)が支払われること。
これは、トークンによる経済圏が成立していることを意味する。ビットコインの場合、利用はビットコインというトークンを使ってなされ、送金手数料もビットコインで支払う。マイナーは、計算資源を提供する代わりに、ビットコインによって報酬を得る。
③アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求によりプロトコルを改善していくこと。この改善は、ユーザーのコンセンサスによること。
中央の主体が決めるのではなく、ユーザーコンセンサスで仕様の変更などが行われることを言っている。つまり、オープンソースのプロジェクトの多くがこれにあたるし、インターネットのプロトコルの多くがまさにそういう形で開発されて進化してきた。同様にDAppsもそうでなければならないとされている。
①から③をすべて満たすものが完全なDAppsと定義される。ビットコインは、この定義をすべて満たした完全なるDAppsだ。
ビットコインがアプリケーションだというと、多くのひとは意味がわからないと思うかもしれない。ビットコインをアプリケーションとして見るという視点を持つには、この分野に対する理解が必要だが、それは非常に根本的で重要な部分だ。
ビットコインなどのDAppsは、従来のような株式会社によるサービス提供ではなく、ある種のルールの集合であり、インターネットに解き放たれ、誰にも止めようがないものだ
コアなビットコイナーは、今後多くの社会基盤が、非中央集権で分散的なものに置き換わると考えている。
ファイルストレージのStorjは、わかりやすいモデルなので、何度も紹介しているが、これはDAppsである。オープンソースであり、中央の主体なしに、それぞれのノードがStorjのデーモンを走らせることで自動で運営が行われる。
Strojのサービスを利用するには、SCJXという利用料トークンが必要で、これは自由な市場で売買され、サービス外部に持ち出せる。トークンは、ノードが空きディスクスペースをネットワークに提供することで得られ(ビットコインのマイニングに相当する)、トークンによる経済圏が成り立っている。
その他にも、計算リソースシェアのZennet、分散型ライドシェアのLaZooz、Storj, Maidsageなどのストレージ共有、分散型の公証であるFactom、分散型のチューリングマシンであるEthereumなど、多くの先進的な取り組みがこの分野でなされている。
これらのDApps、株式会社と、経営者と、ユーザー、VC、株式市場、資本家といった、いままでのパラダイムを否定し、公平で、分散的で、利益をシェアし、共有をベースとしたエコノミーを作り出す可能性がある。
今後、社会の多くのサービスがDApps化していくことで、おそらく国家と資本主義という近代の枠組みを乗り越え、それでいて中央による再配分という社会主義に回帰することのない、新しいエコノミーが出現していくだろう。それは、人類が未だ見たこともない、未来の希望である。
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