レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインを解説
レポート「ビットコインの情報源決定版(26ページ)」を配信しました。レポート内容へ
現在、複数のブロックチェーンをネットワークするような形の”サイドチェーン”という仕様が提案されている。これは、Block streamという会社が提案しているもので、ここは先日12Mの調達をして話題になった。
さっぱり謎だったサイドチェーンだが、木下ジョナさんが解説をおこなってくれる会があったので、勉強になった。まとめをしようとおもう。
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サイドチェーンだが、これはビットコイン本位制を実現するものとされる。
ビットコインを金のような親玉として、ビットコインを預託すれば、それを裏付けにしたコインが発行できる。そして、そのコインは、いつでも裏付けのビットコインに戻すことが出来る。
現在アルトコインなどは信用が薄いが、もしビットコインの裏付けがあるアルトコインが出現すれば、もっといろいろな事ができるのではないか?という提案のようだ。
これに似たことは、以前にも試みがあった。たとえば、counterparty のXCPは、ビットコインをあるアドレスにおくりBurnすることで、それにしたがってXCP(サイドチェーンの通貨)を割り当てた。
BTCを使えなくして、XCPを作ったわけである。
この方法では、XCPから、BTCに戻すことができない。one-way pegである。
サイドチェーンの仕様では、two-way-pegを実現している。つまり、変換したコインから、BTCに戻すことが出来る。
技術的には、ビットコインのトランザクションのアウトプットと、サイドチェーンのインプットとして認める(サイドチェーン側)。逆に、別のブロックチェーンのアウトプットを、ビットコインのインプットとして認める、ということを行う。
そのためには、いくつかの暗号学的な基準をクリアしなくてはいけないが、もしビットコインを別のサイドチェーンの通貨に移行すると、その分のビットコインは使えない状態になりロックされ、そして、サイドチェーンのコインからビットコインにもどすと、また使えるようになる。
交換レートは、固定のようだ。
ビットコインを金として固定レートで通貨を交換するようなものだと考えるとよい。
ビットコイン本位制における、為替の固定レートだ。
詳しい技術仕様は読み込んでいないのでわからないが、一見してこれは失敗するとおもう。技術的には大丈夫かもしれないが、経済的にだ。
ビットコインのセキュリティやマイニングと、サイドチェーンのセキュリティやマイニングパワーは当然違う。そこで、セキュリティに違いがでるで、コインの安全性にも違いが出る。
その評価を市場による変動為替レートによる交換で調整しているのが現在だが、これを固定するとなると、前提として、ビットコインのセキュリティとまったく同等のものをサイドチェーン側が実現しなくてはいけない。そうでなければ、固定比率は崩れるか、闇レートが出来るだろう。
そうなったとき、信用の低い闇通貨から、ビットコインに市場価格以上のレートで元にもどせるとなると、ビットコインもふくめ、暗号通貨全体の経済的な信用を失うだろう。
もちろんこんなことは1分でもわかるので、当然検討されているのだと思うが。
ビットコインの仕様上、coinbase以外の新規インプットを認めるということで、非常に危ういと思う。
ナイーブな実装でこれを行った場合、ビットコインの死を意味するだろう。
ビットコインは通貨として堅く、極めて安全なものとして独立しておいたほうがいい。むしろサイドチェーンは、ビットコイン以外のアルトコイン間での実験的な仕様として、実験するのがよいのではないか。
まだサイドチェーンはドラフトのようなので、今後の成行を注意して見守りたい。
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