レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
最近は、ライトニングネットワークや、サイドチェーンといった2ndレイヤーと呼ばれる技術に注目が追いついてきました。簡単に解説をしていこうとおもいます。
サイドチェーンについて書きます。
図(https://blockgeeks.com/guides/blockchain-wiki/)
サイドチェーンとは、メインチェーンとは別にもうひとつのブロックチェーンを勝手につくって、メインチェーンとPegと呼ばれる手法に相互運用性をつくることで、メインチェーンには無かった機能を追加したり、手数料や承認時間をゼロに近づけたりと、独自のチェーン設計と運用が行えるようにするものです。
上の図で言うと、左の丸がメインチェーン(BTCのチェーンなど)、右の丸がサイドチェーンで、真ん中の黒い双方向の矢印が、ペグという手法を指します。
ざっと解説すると、こうなります。
- サイドチェーンは、メインのチェーンとは別のチェーンで、許可無く設置可。パブリックでもプライベートでも可。
- サイドチェーンのマイナーはメインのチェーンとは別。
- サイドチェーンの合意アルゴリズムはメインチェーンと違ってよい。特に、プライベートの場合、マイニングを要さずPOSやPBFTなどのマイニングを要さない高速アルゴリズムを利用することもできる。
- メインチェーンから、サイドチェーンにコインを移すことができる。たとえば本物のBTCを、サイドチェーンに移すとBTCがメインチェーンでロックされて動かせなくなり、サイドチェーン側で新しくサイドチェーン内BTCが生成される。
- サイドチェーンのコインは、メインチェーンから移動させることによってのみ生成される。
- このサイドチェーンBTCは本物のBTCではないが、サイドチェーン内の合意によりBTCの代替物として利用できる。
- サイドチェーンのBTCは、メインチェーンに戻すことができ、その場合、サイドチェーンのコインは消失し、メインチェーンでロックされていたコインが再びつかえるようになる。
- 4〜7の仕組みを2way peg(双方向ペグ)といい、サイドチェーンの肝になる仕組み。
という感じです。
サイドチェーンの何が嬉しいかですが、
- メインチェーンの機能の拡張とかは、全員が合意しないといけなかったり、セキュリティが低下したりするとこまったりで、なかなか難しい。
- サイドチェーンの設計は自由なので、ブロックタイムを短くしたり、匿名性をもたせたり、スマートコントラクトが利用できるようにしたり、ニーズに応じたものが自在に設計できる。ペグしたBTCをそこで動かすことができたらとても便利。
まあ新たにアルトコインなんかつくらなくても、サイドチェーンでいろいろできるよってことで。
次にいくつかの疑問点にお答えすると。
Q サイドチェーンのセキュリティはメインチェーンより落ちるのでは?
→そのとおりで、利便性や多機能とセキュリティはトレードオフになるのが一般論。ビットコイン自体のセキュリティを緩めるんじゃなくて、サイドチェーン利用で、利用目的にあわせて、セキュリティと機能は選べるようにしようということ。(for diffent purpose, different security and consensus model.)
Q もしサイドチェーンで不正などがおきてサイドチェーンコイン内のコインが増えちゃったり、改ざんされた場合、それをメインチェーンに戻したら、メインチェーンのコインも不正できるの?
→No. サイドチェーンが壊れたら、メインチェーンにロックしているBTCが取り出せなく成る。サイドチェーン内でも不正は困ったことに。
Q 実用化されているサイドチェーンは?
→Ethereumライクなスマートコントラクトが使えるRSKという再度チェーンがベータ版をローンチ。その他、取引所間のプライベートサイドチェーンであるLiquidなどがある。
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