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日本ブロックチェーン協会が、「ブロックチェーンの定義」を公開しました。
http://jba-web.jp/archives/2011003blockchain_definition
テクニカルな用語が多いですが、次のような定義になっています。
1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
委員全員のコンセンサス
日本ブロックチェーン協会では、日本ではじめてブロックチェーンの定義を試みました。
私は、委員として参加し、数ヶ月ほどの間、喧々諤々の議論をおこないました。やはり、委員それぞれがもっているブロックチェーンの定義というのはバラバラで、専門家のあいだでも議論がまとまらず、なんどか振り出しに戻りながら議論が行われました。
最初は、純粋にシステムの機能面からアプローチしていたのですが、どうしても合意に至らず、機能ではなく、目的面のアプローチにしてはという委員の意見があり、まとめ直しました。
最終的には、発表した定義で、委員全員のコンセンサスが取られました。話が噛み合わなく成りがちなこのテーマで、全員のコンセンサスがとれる定義が決まったいうのは、画期的なことだと思います。
定義のポイントを解説
定義のほうは、見てわかるように2つ定義にわかれています。
まずは、ビットコインのブロックチェーンや、イーサリアムほか、多くのパブリック型のブロックチェーンについての汎用的な定義です。
1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
サトシ・ナカモト論文において何が画期的だったのかという原点に戻り、不特定多数のノードが参加するインターネットのような状況のなかでも、コンセンサスを取ることができるプロトコルを、ブロックチェーンだというように捉えています。
ブロックチェーンの定義としては上記です。
ですが、これでは金融機関によるプライベートチェーンの動きを捉えられないので、広義のブロックチェーンという定義が付加されています。
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
プライベートチェーンでは、パブリックのブロックチェーンで採用されている技術を取り込みながらも、必ずしも不特定多数のノードによる合意形成を目的とせず、むしろ、可用性や、改ざん検出、コストメリットなどのオペレーション上のメリットを目的としている場合が多いです。そのために、合意アルゴリズムを置換したり、管理者を導入したり。
この点でブロックチェーンとは何かという話が噛み合わなく成りがちなのですが、本定義では、これらを広義のブロックチェーンと定義し、パブリックチェーンの技術を(一部)取り込んだものは、目的の変化や、アルゴリズムの置換があっても、ブロックチェーンの仲間に入れましょうという考え方がとられています。
なお、現時点での定義であり、今後、業界の状況に合わせてアップデートもあるとのことです。一定の基準が示されたものと思いますので、各所で活用されることが期待されます。
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