ビットコインと企業ポイント(楽天ポイント、Tポイント)などの違い

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインを解説

レポート「ビットコインの情報源決定版(26ページ)」を配信しました。レポート内容へ

ビットコインと企業ポイント(楽天ポイント、Tポイント)などの違いがわからないという意見がありましたので、簡単に解説したいと思います。

まず、企業ポイントと呼ばれるものですが、楽天ポイント、Tポイントが代表的ですね。アマゾンもポイントがあります。さらに、航空会社のマイレージ、これもポイントの一種です。agodaなどのホテル予約ポイント、近くの商店街のお店でもポイントスタンプがあるとおもいますが、あれも企業ポイントの一種です。 いまやあらゆる企業でこの手のポイントが発行されています。

企業ポイントというのは、次のような性質をもっています。

・買い物をするとおまけで貰える ・その企業で次のサービスを購入するときに使える

一方で

・その企業のサービス購入にしか使えない ・他人に譲渡できない

となっています。

さらに解説します。

入手法(発行)

企業ポイントは、基本的には買い物をしたときに貯まるという性質があります。楽天だったら買い物額の1%がポイントとしてたまります。マイレージであれば、航空券を買って搭乗したら、一定のマイルが貯まります。 このポイントは楽天ポイントなら楽天が発行します。

ビットコインの場合は、発掘というかたちでビットコインが発行されます。発掘で手に入れるほかは、ビットコインをすでに持っているひとから手に入れます。つまり、ドルや円でビットコインを買うか、もしくは、なんらかのサービスを提供して、ビットコインを報酬としてもらう、ということです。

利用と会計

企業ポイントは、基本的には、その企業のサービスなりを次回利用する時に使います。楽天ポイントの場合1ポイント1円で楽天で買物ができます。 マイルの場合、その航空会社の航空券に引き換えることができます。 これは、どういうことかというと、その企業は、ポイントを発行したぶん、消費者にいずれ還元する必要があるということです。

会計上は、ポイントは、企業の負債として認識されます。 楽天が10億円分のポイントを消費者に発行したとしましょう。するといずれ楽天は10億円分の商品をタダで提供しないといけなくなります。つまり、楽天からみるとポイントは負債になるわけです。 実際に、楽天の2012年度決算では、流動負債の欄にポイント引当金として25,908百万円が計上されています。

以前は引当金は計上せず、その時々に資金をやりくりしていましたが、ポイント発行額が大きくなるにつれて、「裏付けがない」ポイント発行を防ぐため、引当金を計上するように企業会計が変わっていきました。

もちろん、企業が倒産してしまえば、ポイントの価値はゼロになります。

マイレージインフレ

航空会社のマイルの場合、インフレがあります。以前は2万マイルで行けた場所に、突然4万マイルが必要になったりします。マイルの場合、空席を発行するという方法で還元するので、引当を積む必要がありません。発行しすぎたマイルは、顧客離れを除けば、一方的に調整することができます。

ビットコインの場合は、そのコインが、どこかの企業の負債になっているわけではありません。逆の言い方をすれば、コインを持っていった時、どこかの企業が何かのサービスに変えてくれるということは誰も保証していません。ビットコインを受け取るかどうかは、個々の企業や商店や個人に委ねられているともいえます。 多くのひとがビットコインを受け取るようになり、受け取った人がまた他の支払にコインを使えるという状況になれば、ビットコインは流通します。ビットコインは、誰かが受け取るということのみに信頼をおいています。そうでない限り、なんの価値のうらづけもありません。

72

その企業が最終責任元

基本的に企業ポイントは、発行した企業のサービス購入にしか使えません。 いやそんなことはない、他のところでも使える場合があると反論するかもしれません。しかし、それも実は最後は、発行元の企業がそのポイントを買い取って精算しています。 例えば、楽天ポイントですが、実際は楽天本体ではなく、楽天にお店をだしている店舗で使われます。しかしこのポイントは、楽天が買い取って精算してくれます。 ポイントを発行した企業がちゃんと精算してくれる、と思えば、そのポイントで買い物を受け付けるということもできるわけです。 いずれにしても、企業ポイントは、その企業が存続し、ちゃんと負債を返すという信用のもとに成り立っているといえましょう。

受け入れる人がい続けるという信用

また、企業ポイントは基本的には他人に譲渡はできません。あくまで、ポイントを発行した企業に対して後々サービスを受け取れることができる権利なわけです。そのような負債を発行しているのです。関係性としては、企業対顧客の間の1:1の負債関係が基本になります。

ビットコインは、誰かの負債ではありません。それを受け入れるとした人に対しては、受け入れるひとがいる限り流通します。受け入れるひとがいなくなれば、何の価値も持たなくなります。何かの負債ではないので、ビットコインをどこかに持ち込んだからといって、何かに変えてくれるわけではありません。

詳細日本語マニュアル付きTrezorの購入は

初心者向け「使って勉強!ビットコイン」