レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)
シットコインや詐欺コインといった言い方について、私は一貫した基準でそう呼んでいるのですが、人によって捉え方にばらつきが有り、コミュニケーションに齟齬が生じているケースが多々あるようです。
そこで、私の用語の基準を明確に説明しておきます。なおこの基準は、本間さん、田中さんなどとの共通見解で、「コインの田中基準」と名づけました
コインは4つに分類しています。
- ビットコイン
- アルトコイン
- 草コイン(シットコイン)
- 詐欺コイン
です。順に説明します。
ビットコイン
これは説明不要で、ビットコインのことです。なぜこれだけ特別視するかですが、世界で最初に発明された暗号通貨ですし、現在でも他のコインの参照点になるため、まずビットコインを上げています。
アルトコイン
ふたつ目はアルトコインで、一般的には「ビットコインでないコインはすべてアルトコインと呼ぶ」のが普通です。ただ、私の場合、すこし定義を狭めています。
- ビットコインにはない機能の拡張や課題の解決をめざして、
- 技術的新規性が十分あり、
- オープンソース、開発コミュニティの存在、定期アップデートなど、まともな体制がある
とりわけ、ビットコインにない機能拡張や課題の解決を目指しているという点を重視します。ビットコインで出来ることだけをやっただけではアルトとしての存在意義が薄く、ビットコインで解決できない新しい課題に挑戦していることがアルトの存在意義であるという考え方です。コインはその何らかの目的のために作られ実験され、開発者とコミュニティはそのために実現するための活動をしているものと捉えています。
また、オープンソースであることや、フェアなディストリビューションなど、透明性があることも公共財として大事です。フェアの基準は捉え方に差異があると思いますが、レベル感としては、会社でいうと上場審査などのイメージで、決算書、社内体制など質疑ある点がでないような体制と説明を整えているものというと基準がわかりやすいと思います。
これに沿ってみると、代表的なアルトコインは、イーサリアム、ライトコイン、MONERO、ZCASHなどです。
※ライトコインはビットコインの単なるフォークなので新規性ないじゃないかと指摘されることがあります。確かに、ライトコインアルゴリズムやブロックタイムを変えただけのフォークで今見ると新規性に乏しいです。しかし、当時はビットコインしかなかったわけで、パラメーター変更によるビットコインの課題に対する最初のアプローチを示しました。これによりアルトコインという言葉を創りだしたという意味で、当時の新規性は十分あったと理解しています。
草コイン(シットコイン)
3つめは草コインです。シットコインという呼び方は評判がわるかったので、田中さんが草コインを提案していたので、採用しました。
多くの草コインは、何かの課題の解決を目指しておらず、コインの目的が見えません。創業者や初期購入者の儲けのために作られたものの少なからずで、必要以上の買い煽りをしていたりします。こうした意図が見え隠れするものは、草コインとよぶべきものでしょう。
草コインの特徴
- 新しい課題を解決しない
- 技術的新規性がない(単なるフォーク)
- または、技術的に実現性が乏しい(Vaporware)
といったことに加え、運営の透明性の面での質疑を抱えます。たとえば下記のような点です。
- ディストリビューションに問題がある
- 開発者の取り分が多すぎる、プレマインなど不公平がある
- 宣伝方法、ICOの方法などに質疑がある
- コンセンサスアルゴリズムがクローズだったり不公平である
- 開発が滞っている、放置されている、技術力が足りない
- 買い煽りグループの存在、相場操縦の対象になってるなど
など、要するに何らかの点で透明性に質疑があるコインのことをいいます。当然何のコインでも質疑や問題点はあるものですが、それは技術チャレンジなどに対しての乗り越えるべき課題だったりといった前向きのものです。
一方、これらのコインは、ホワイトペーパーやICOの段階から質疑を抱えています。
また質疑の程度ですが、これは人によって捉え方が違うのと、何のコインも初期にすくなからず質疑の点ははらんでいるので(ビットコインも同様)論争になりがちです。単なるコピペコインだが、透明で公平で害がないというタイプから、目的があり技術もアリそうだがICOは真っ黒なものまで、いろいろあります。結局は課題解決への目的と、質疑の点のバランスなどから、総合的に判断するしかないでしょう。アルトコインと草コインの境目はなだらかだといえます。
詐欺コイン
最後は詐欺コインです。これは、明らかに当初から、お金を搾取することを目的として仕組まれたものです。草コインとの違いは、次の点です。
- そもそも開発がされない(する意図がない)
- ビジネスモデルが永続性がない
- MLMによる販売またはその筋のひとの関与
つまり、最初からコインの実態がなく、お金を集めることだけを目的としたものです。もはやコインとは呼べません。
最近はコピペコインくらいなら開発しなくてもローンチできるので、それをローンチして言い訳をするといったやりかたもできます。そうすると実態があるじゃないかということになるので、結局は騙す意図があるのかないのかというになるのではとおもいます。
しかしながら、意図の立証は第三者からは難しく、騙す意図はなかったが失敗したという言い訳も可能ですから、なにかにつけて詐欺師に有利なのが実態です。それがコインをつかった詐欺が急増している理由です。
最後に
なおこの分類は、技術内容、ビジネスモデル、実現性などを加味したファンダメンタルな分類として分けています。価格に関しては、需給の状況や、仕手が仕掛けるなどのいろいろな要素が有りますので、価格を予想するものではありません。
各自、ご自身でさまざまな指標を組み合わせて活用ください。ひとつの視点やツールになれば幸いです。
以上です。
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