スモールブロックの真の意味

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

ビットコインのブロックサイズは1Mです[*1]。

これは、現在の普通のサーバーが処理できる取引量にくらべて、とても小さいサイズです。これをめぐっては数々の論争がありました。

マシンパワーとメモリ、ネットワーク速度が加速度的に向上(ムーアの法則)しているのだから、ブロックサイズも上げていくべき、というのがビックブロックの思想です。将来的には1ギガバイトのブロックも可能であると主張しています

なので、1Mのブロックを保つことは「人為的に上限を設けていること」であり「折角あるリソースを使わない愚行である」と批判しています。

たしかに、現在のハードウェアリソースであっても、1MBを超えるブロックサイズは問題ないですし、BCHでは32MBは動いていました[*2]

ではなぜ1MBにこだわるのか?しかも、更にトランザクションサイズを小さくしようと、細かい効率化をしようとしています。そんなのムーアの法則の前には無駄な努力に見えないでしょうか?

いえ、スモールブロックにはもっと別の意味があるように思えるのです。

これを見通すには、発想を逆転する必要があります。

どういう逆転でしょうか?

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もしムーアの法則で、マシンパワーとメモリ、ネットワーク速度が加速度的に向上すると、1MBというのは、ほんとに小さい容量になります。

現在のビットコインブロックチェーンのフルデータは、200GBをすこし超える程度ですが、将来はその容量も小さくみえるはずで、オンメモリに乗るかもしれません。

つまり、そうなると、組み込みとかでも処理できるわけです。スマホでフルノードが走ったり、家庭のルーターのオンメモリにブロックチェーンが格納できるかもしれません。となると、けっこうすごいことがおきませんか?世界のあらゆるところで、フルノードが動くことができるのです。

最近はLinuxが組み込みシステムでよく使われています。アンドロイドのスマホも実態はLinuxです。以前はハードウェアの制約が大きく、組み込みでLinuxを使うにはリソースが足りませんでしたが、ハードの進化と容量アップにより、組み込みでつかっても十分動くようになりました。これにより、Linuxの開発の容易さや、ミドルウェアやドライバの豊富さという利点が生かされるようになり、Linuxのシェアが大きく上った要因にになっています。

同様のことがビットコインでも起こるでしょう。ハードや容量の進化によって、ビットコインのスモールブロックが、ほんとうに身近なスモールデバイスに収まるようになったとき、そのときに本当の革命が起こるのです。データセンターの巨大サーバーで動くビックブロックには起こりえない革命です。

無線通信の容量もふえていますし、将来的には無線通信でまったく遅延のないくらいにブロックチェーンの伝播があらゆるデバイスにできるようになるかもしれません。

10年後、いたるところで走っているのはビットコインのノードになるでしょう。そのとき、はじめてスモールブロックの努力の意義が理解されるようになるでしょう。

(写真)ワンボードコンピュータで動き、4G回線でブロックチェーンを同期する超小型のフルノードです。Bitcoin Cashの32MBや、イーサリアムではすでにこの形態を維持することは不可能です。

[1]正確にはSegwitによりブロックサイズではなく、ブロックウェイトになり、最大4MBとなった。

[2]しかしながら現状では、32メガバイトが上限とおもわれる。Bitcoin Cash SVのストレステストでは128メガバイトのブロック生成が期待されたが、結果は64メガバイトのブロック伝播で障害がおき、それ以上は生成されなかった

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