FBのLibraが普及する未来が気づかせてくれるものー価値の交換と、保存の機能は分離していく

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

多少ポエムが入りますが、私の大局観を書きます。

シンプルにロジックだけを書くので腹落ちしずらいかもしれませんが、事例などはいずれ補足するつもりです。

◇◇◇

通貨には、価値の交換、尺度、保存の3つの機能が備わっているとされてきた。3つ備わっていなくてはいけないというの通説である。

いままでのFiat(=法定通貨。米ドルやユーロ、円のこと)の世界では、たしかに人々はその3つの機能を通貨に求めて、実際に使っている。

私は、今後の世界では、価値の交換や尺度と、保存の機能は分離するとおもう。それがこのエントリの趣旨である。

MMTと、Libara(Facebokコイン)の2つの観点から、これについて論じる。

MMTというのは、簡単にいうと、金利が成長率を下回るなら、政府は無制限に借金してバラマキしても良いというものだ。これはとんでもない話に思えるが、よく考えると真実だと思った。

なぜなら、Fiatは、本質的にMedium of Exchange(MoE)である。価値の交換手段だ。これは異論はないだろう。

金本位制の時代では、政府が持っている金の量には限界がある。そのため経済が拡大基調でも、その経済をささえる交換に用いられる十分な貨幣が供給できない。よって成長に限界があった。
金本位制を放棄してからは、いくらでも紙幣をすれるようになり、経済が拡大基調ならそれにあわせてお金を供給し、増えすぎてインフレになったら引き締め、デフレになったらまた増やすという調整ができるようになった。要するに金融政策のことである。

貨幣の役割は、経済がうまく回るように需給のギャップを埋めたり、流通速度を上げたりするのが役目で、マイルドにインフレしたほうが良いし、次の瞬間誰かに渡ることで経済活動を媒介できていればそれで良い。

それゆえ、コストゼロから発行しても構わないし、本質価値がなくてもよい。中間媒体なのだから。

人々は、その中間媒体で蓄財もしていたが、これはよく考えると、奇妙な話である。

国家はさらに紙幣をすりまくる。なぜタダで刷られたものが、大量にばらまかれる。

そのときFiatを銀行に貯めておくという意識は、人々から薄れていく。価値の貯蔵は、交換媒体とは別の物が好かれるようになる。

それは伝統的な資産である株、債権、不動産はもちろん、ゴールドなどの貴金属、アートもふくまれるだろう。当然ビットコインもだ。

私は、政府が実態のない貨幣を印刷することを嫌っていた。だが、自分は盲目的に政府貨幣に価値の保存機能を求めていたから、増発に嫌悪感を覚えていたということがわかったのだ。

単なる交換手段だと割り切れば、たくさん印刷されても構わないと今気づいた。交換手段・中間通貨をずっと持っておくべきではなく、すぐに資産に変えるべきなのだ。

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FacebookがすすめるLibraも、価値の交換を意図したコインである。

もしこれが成功すれば、インターネット上での価値のやりとりが、非常に便利になることになる。FB経済圏を中心にして、低コストで、瞬時に決済できるお金が流通するからだ。

そして、なにより、価値の交換を担うには法定通貨である必要はないという証明される。エスタブリッシュ金融へのインパクトは計り知れない。

ただ、インパクトが大きいのはエスタブリッシュ金融のひとたちのみである。フィンテックGuyからすれば、それは当然の話しだろうし、1ユーザーからみたら、法定通貨だろうが、FBコインだろうが価値が交換できればなんでもいい。

さて、価値の交換であれば、なにも法定通貨でなくてもよいということが証明されたとする。

フィンテックGUYは、「ビットコインなんかと違って、ちゃんと決済に使える本物の仮想通貨を開発してやったぜ!それ知ったことか!」と思うかも知れないが、それは大きな勘違いだ。

FBコインが代替したのはあくまで価値の交換の部分だけなのである。蓄財となると違うからだ。

FBコインで蓄財したいと思う人がいるだろうか? FBコインで「稼いだり」「使えたり」するのは便利だが、それで年金を貯めておいたり将来に備えたりしようとするだろうか?

多くのひとはそうは思わないだろう。FBコインは一時的なものであり、価値の交換には便利だが、自分がその時使う以上のコインがあれば、他のもっと価値があるものに変えてしまうだろう。(端的にいってFBコインに金利はつかず、持っているだけで損をする)。

持っているだけで損をするコインは、早くつかってしまおうというインセンティブが湧く。そのため、貨幣の流通速度が加速する。経済圏自体は活発になる。価値が薄れる悪貨をつかったほうが経済が回るのである。

これは直感に反するが真実だ。それを狙った減価するお金(ゲゼル紙幣)というのもあるし、通貨がマイルドにインフレしたほうが景気がよくなるも、そういう理由である。

人々は、暗号通貨の役割は「価値の交換」だという。もちろんそういう暗号通貨があってもよい。FacebookのLibraのように。

しかしFBコインが普及すればするほど、人々は、違和感を感じるようになるはずだ。

「僕が使って便利なコインはFBコインだが、個人的に欲しいコインはFBコインではない」

そのとき、多くの人が、いままで馬鹿にしていた行動をとる。

FBコインをつかって、ビットコインを購入し始めるのだ。

資産性のあるコインとしては、SoV機能があるビットコインの他には、手数料などを生むネットワークの所有権であるもの(ガバナンストークン)が筆頭の資産になる。

こうした観点で、Coinmarket capをみると上位20位で、SoVと資産性のあるものは、たかだか数個しかない。私は、その数個をポートフォリオを組んで長期保有する方針である。

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