2019年暗号通貨の相場と業界予測

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

年始にあたり、毎年恒例の今年(2019年)の業界予想(と昨年の答え合わせ)を行ってみたいとおもいます。

まずは簡単に昨年の振り返りを。的中した予想、外れた予想を検証します昨年に私がおこなった予想はこちらの記事を参照してください。また予想はブログ記事以外にサロン内で書いたものも含めます)

ほぼ的中した予想

  • ASIC供給の新規参入、分散化(Bitmain以外の2−3社のASICメーカーが現れ、Bitmainのシェアが50%を割る)
  • ICOはゴミ案件ばかりに。ICO自体が見向きもされなくなる
  • 年内のSegwitトランザクションの比率が50%を超える
  • BTCは平和で内紛は起こらず、内紛は完全解決する
  • ライトニングのメインネットがローンチし、いくつかのサービスが立ち上がるものの一般への浸透はまだ
  • サイドチェーンが一部ローンチする(Liquid)
  • BCHは、多機能化する方向を目指す(BCH-ABC)
  • PBFT型POS、インターチェーンまわりで複数の新プロジェクトが企画される

外した予想

  • ビットコイン価格35,000ドル
  • マイニングに国家が参入、未活用電力・自然エネルギーマイニングがトレンドに
  • フォークコインが月に100個に
  • 2019のハードフォークの議論が起こる

どちらとも言えないもの

  • ライトニングのユーザー体験で、世論が180度変わる
  • ビットコインとビットコインキャッシュは市場で健全に競争
  • クロスチェーン、インターオペラビリティが流行語に
  • 決済速度、手数料を売りにしていたアルトコインは、その立ち位置の再考を迫られる

以上です。的中率はまあまあというところでしょうか。

さて、次に今年の暗号通貨相場・業界予想をしてみます。

相場予測

昨年は保守的に1ビットコイン=35,000ドルとしましたが、見事に外しました。もっと保守的に一桁削っていれば見事的中というところでしたが(笑)

今年ですが、最大の論点は昨年からも言われているように機関投資家の参入にあるということは間違いないでしょう。メルクマールは、Bakktのような現物の受け渡しのできる先物市場、機関投資家むけのカストディサービスの整備、そして、ETFの認可です。前者2つにおいては実現は確実でしょう。ETFについては、結局今年中は無理なのではと考えています。

これらを踏まえて、今年の価格予想は6000−8000ドルとします。

今年はちょうど前回のバブル崩壊後の2016年にあたる年とみています。つまり一旦底値をつけてから上を目指すも叩き落とされるレンジ相場で、17年の爆発にむけて力をためていた期間です。

これになぞらえると、今年は6,000ドル程度を中心にしながら、上は8,000ドル程度。下は昨年末の4,000ドルを何度か伺うこともあろうでしょう。

そうした相場を経て、今年の年末には、1万ドルを伺う展開ができれば2020年での大相場が期待できます。2020年には、機関投資家の本格参入やETFは実現できていると思いますし、半減期などもあり材料が豊富です。2020年で、前回高値の2万ドルを達成し、2021年に3万〜6万ドルを伺う展開というのが中期の予想です。

なお、ETFが予想に反して早く実現した場合、シナリオ全体の前倒しが考えられそうです。

特徴のないアルトコインの大半は死にます。一方で今年は、技術的にも目新しい、まったく新しく立ち上がる分野が出てきます。新コンセンサスプロトコルや、インターチェーン、Wimbleminbleなどです。こうした銘柄を中心に、投資妙味のある新分野が見込めます。上手い人は大きな利益が出せるでしょう。

予想

  • 6000ドルを中心に4000〜8000ドル程度のレンジ相場
  • ETFは認可されず
  • 新技術コインが相場の活性材料に

ビットコイン(技術予測)

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Segwitの比率が50%を超えるという予測がほぼあたりました。正確には50%には届きませんでしたが40%台を維持しています。強気で言った予想でしたが、これが実現されたことは喜ばしいことです。また、ちらほらbc1から始まるネイティブSegwitのアドレスも普及してきており、来年はこれがデフォルトになるでしょう。

また、ASIC供給の分散化については、昨年最重要課題として挙げて予測したところ的中しました。もちろんBitmainの敵失というところも大きいのですが、マイニング市場が分散化されたことで、ビットコインのファンダメンタルの大きな懸念材料が払拭され、強さを増したと理解しています。

さて今年は、シュノア署名を中心として以前から議論されていた技術がようやく実現していくかもしれません。Segwit以来、セカンドレイヤーに注目が向いていましたが、今年はベースレイヤーにおいても新しい進展があることを予測します。希望を込めて、年末にはシュノア署名のデプロイのめどが立つということを期待したいです。

予想

  • 年末にシュノア署名のデプロイのめどが立つ
  • bc1アドレス(ネイティブSegwit)が標準に

ライトニングネットワーク

ライトニングネットワークは今年目覚ましい成長を見せました。1ml.comの統計によれば、チャネル数が18000、キャパシティは500BTC以上です。ゼロからここまで成長し、特に昨年末は大きく成長しています。

プロトコルが安定してきたことが大きく、私の運用しているノードも数カ月間トラブルもなく、また100円以下の少額決済であれば詰まることもほぼなくなっています。
すでに少額決済においては実用化されてきていると言えましょう。

今年のライトニングは昨年議論されていた、Watchtower、Splicing、Atomic Multi Pass、Channel Factoryといった諸々の技術が目白押しで、早期に実装されるでしょう。

実装のペースは予想より早いです。セカンドレイヤーはベースレイヤーと違い全員が一致する必要がないため、新技術の取り込みが加速度的に進むでしょう。話題にあがった技術の大半が今年中に何らかの形で実現すると見ています。とくにAtomic Multi Passは大きく、これができると大幅にスループットと資金効率が上ります。

現実的なキラーアプリの登場はまだ難しいとおもいますが、ゲームなどを中心に少額決済の実証的なプロジェクトが多く立ち上がっていくでしょう。

予想

  • ライトニングは今年も加速度的な成長をみせる
  • 多くの将来的といわれていた技術が今年中に実現してしまう

BCH・SV

昨年はBCHがビットコインと健全な競合として相互発展していくと予想しました。途中まではあたっていましたが、最後に分裂により自滅した感は否めません。今年は予測の対象からは省略いたします。
(なお、サロン内では詳細にコメントしましたので興味があるひとはそちらを見てください)

新コンセンサス分野(EOS、Dfinity、Cosmos、Zilliqa等)

昨年予想は、”インターチェーンがバズワードになる”でしたが、先読みが早すぎました。今年ようやく追いつきます。

今年最大の注目トピックは、EOS、Dfinity、Zilliqa、Cosmos、Porkadot等に代表される新型のコンセンサスプロトコルを備えたチェーンです。

高速かつコストが安く、DAppsのプラットフォームの担い手として主役の座を狙うでしょう。EOSは昨年から注目するひとは注目していましたが、すでに新規Dappsにおけるプラットフォーム選択ではEOS優勢であり、そうした流れが加速するにつれ、今年の前半には注目が大衆化します。EOSにつづき、Dfinity、Zilliqaといったプラットフォームのローンチが控えます。

クロスチェーン分野ではCosmosがすでに最終テスト段階にあり1Q中にローンチを見込んでいます。Cosmosはクロスチェーンだと言われていますが、むしろ容易にアプリ独自のブロックチェーンを構築できる開発キットに真価があります。これを利用するプロジェクトが拡大し、「EOSのようなクラウドに近いもので構築するか、独自チェーンで構築しインターチェーンで他と接続するか」みたいな議論が起こるでしょう。また、Cosmosを使ったイーサリアムのハードスプーンであるEthermintは注目イベントで、貪欲な人々が群がるでしょう。BTCからBCHが出現したみたいになるからです。

また、Zcash以来となる全く別のアプローチからのコインの実装であるMinblewinble系(Grin,Beam)が注目を集めるでしょう。

ここに上げたものはいずれも、ここ数年なかった基本技術レベルから新しいもので、注目する価値が有ります。

また、インターチェーン自体は注目のトピックになりますが、パブリックチェーン同士のインターチェーンは時期早々。今は、パブリックとプライベートの接続という文脈で議論されるでしょう(つまりサイドチェーンです)。ブロックチェーン界隈もそろそろ単独のプライベートチェーンの無意味に気づくころです。Liquidのほかにもいくつかのサイドチェーンがたちあがるでしょう。

予測

  • 新型コンセンサス、インターチェーン、Minblewinbleが今年の3大トピックに
  • アプリ専用の独自チェーンを立ち上げる方向性が生まれる
  • プライベートチェーンとパブリックチェーンの接続が重要なテーマになる
  • Liquid以外のサイドチェーンも本格稼働
  • Ethemintのローンチは盛り上がる

アルトコイン

昨年はICOは全滅という予想があたりましたが、これはさすがに多くのひとが簡単に予想できましたよね。

アルトコインやICO分野は今年も言うことは特にありません。しいていえば過去のプロジェクトがどれだけお咎めをくらうか。訴訟中のものがどこに落ち着くかでしょうか。いずれにしてもそれらのグレーなコインの殆どが決着をみるとおもいます。

  • 違法ICOに対してSECの追及や訴訟が一通り完結する

イーサリアム

イーサリアムについての昨年に引き続き予測は控えます。正確に予測するにはあまりにもトピックが多く、また私の知識も細部まで追いつけていないためです。

ただし大きな流れとして、新型のコンセンサスプロトコルの追撃をうけて競争が加速する展開が予想されます。最終的にどこかが生き残るのか、それともすみ分けができるのかはわかりませんが、後者に落ち着くと思います。スマートコントラクトのプラットフォームはWinner Take Allではなく、用途別のすみ分けがすすむでしょう。具体的には、ステーブルコインや証券(Ethereum優勢)、DApps(EOS他が優勢)という形です。

予想

  • イーサリアムと新型コンセンサスの間での市場競争が加速する
  • スマートコントラクトは複数チェーンが並行してつかわれ用途別でのすみ分けが意識されるようになってくる

国内市場

国内市場については、予想は控えるというか、あんまり関心がなくなってしまっています。主なトピックは、カストディ(ウォレット)規制、金融商品としての規制、新規業者とコイン認可、といったあたりとおもいますが、もっぱら金融庁の意向次第になってしまっているからです。専門家にまかせたいとおもっています。

私としては、規制がイノベーションの目をつまないように、新技術などについて、規制などに関わる専門家にわかりやすい解説をすることで、なにかの役に立てれば良いかなとおもっています。

個人的な希望としては、新しいコインの上場の再開、税制改正のめど(分離課税、少額非課税、仮想通貨同士の交換の課税繰り延べ)の実現を望みます。

以上です。

なおビットコイン研究所サロンのほうでは、私だけではなく複数の識者の意見を総合した決定版の予想レポートを配信しています。イーサリアムや、ビットコインキャッシュ、国内動向・規制関係についてもそちらのレポートの中で網羅していますので、ぜひご一読いただければ幸いです。

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