CosmosとPolkadotの違い

レポート「アルトコイン図鑑」では30種類以上のコインの概要と見通しを解説(詳しく)

polkadot cosmos-logo-black-1024x192

LCNEMの木村さんの投稿に触発されて私も意見してみます。

https://yu-kimura.jp/2019/04/18/cosmos-polkadot/

基本的なところ

CosmosとPolkadotですが、基本的にやろうとしていることは全く一緒です。

それから、基本のパターンも一緒です

  • 独自ブロックチェーンを簡単に作れる開発ツールキットが提供される(Cosmos-sdk、Substrate)
  • そのツールキットで作ったチェーン(ゾーン、パラチェーン)は、HUBチェーン(Cosmos-HUB、Polkadotリレーチェーン)に接続が簡単にできて、そうすると、相互運用が可能となる
  • HUBが存在して、そのガバナンスとステーキング用のトークンがある(ATOM、DOT)

です。

両者の違い

両者の決定的な違いは2つあります

  • Cosmosでは独自チェーンのバリデータは自分で立てる。Polkadotはシェアードセキュリティといって、HUBのバリデータが接続チェーンのバリデートも代行するマージバリデーションが標準になっている。
  • Cosmosはトークンの相互運用にいまのところ特化しているが、Polkadotはスマートコントラクトのステートやデータのシェアも可能である。

です。あとPolkadotのほうはFishermanという別の監視者がいたりとややエコシステムが複雑になっています。

また、Cosmosのチェーンでは基本的にはスマートコントラクトの機能がありませんが、Polkadotのチェーンではスマートコントラクトが使えます。(なお、CosmosoではEthermintというEVMのコントラクト互換の機能を開発中です。)

感想

Cosmosは、えらくシンプルだとおもいます。これから拡張するのかはわかりませんが、とりあえずシンプルなものと作ろうと言う感じ。Cosmosは、ビットコインのサイドチェーン的なものに近いかもしれません。

疎結合したブロックチェーンが適度に交わり合うというかんじのあたりはインターネットのイメージです。またCosmosHubが唯一のハブでなく、他のハブの生成やデプロイ・競合もまったく否定していません。すでにIRISハブという別のハブが立ち上がっていたりします。

Polkadotはもっと密接に結合したアーキテクチャで、サブチェーンとハブとバリデータが、全体として動くような感じに見えます。インターネットというより、どちらかというとクラウド、シェアードサービスのような形態に近いのではとおもいます。EOS的とでもいいましょうか。

どちらが良いかは、どのような利用者がどのような性質のチェーンを作りたいかによります。

木村さんも指摘していましたが、マージバリデーションのところが大きな分かれ目になるとおもいます。Polkadotのリレーチェーンは100だったか200だったかのパラチェーンしか接続できないようになってます。その枠にはいるためにはDOTトークンを一定数ステーキングしておく(マージバリデーションの実質的な利用料)ということになります。

このとき、利用料の高騰と、スケーラビリティの問題がでてきます。100のチェーンしか接続できないとなると、DOTのステーク量はいかほど必要でしょうか?仮に1/100のステークが必要としてしまうと、いまのPolkadotの先物の時価総額は3000億円くらいですから、30億円ものトークンのステークが必要になってしまいます。(このあたり、いくらステークが必要とかのパラメータは未確定で、私の計算は勝手な前提でやっていますが、いずれにしても、利用料の高騰は避けられないのではと思います)。トークンを投機で購入するひとにとっては、値段が上がる実需の要素があるので良いといえますが、逆に開発者にとっては費用の高騰となります。これはイーサリアムでのジレンマをそのまま引き継いでしまっている気がします。

次に、マージバリデーションがスケールするかです。リレーチェーンでは、100か200しか繋げられない上限をもうけています。それでも100,200個のチェーンを同時にバリデートするとなると、バリデータは相当なスペックを要求されるのではとおもいます。

なお、ブロック自体はパラチェーンのほうで作成して、ハブのほうでは最終的な承認だけをやるような階層型になっていて負荷は軽減されていようなのですが、これがどれだけのスケーラビリティがあるのかは、私も評価できません。いずれにしても、子HUBみたいなのをつくって拡張していかないと行けないわけです。

逆にCosmosについては、ハブの作成も競争も自由なので、Cosmos-HUBが別に大きな地位をしめないかもしれません。またCosmosのATOMのトークンも、HUBのガバナンスとステークしか用途がなく、HUBに接続しようとするときATOMが必要といったこともありません。つまりトークンに実需が発生するような仕組みがないため、PolkadotのDOTにくらべて価格面では上がりにくいのではないかとおもいます。

ざっといってこんなところですが、両方共に仕様についてはまだまだ変わると思いますし、私自身100%理解しているわけではないので見落としや勘違いがあるかもですので、それはぜひご指摘いただけると助かります。

なお現状の開発状況ですが、CosmosはCosmos-hubが3月にローンチ済みで、Cosmos-SDKも利用可能です。現にBinanceチェーンはCosmos-SDKを元につくられています。ただし、HUBでインターオペラビリティを確保するIBCはまだ仕様書段階で実装が始まっていませんので、肝心のインターオペラビリティの機能は実現されてないといえます。IBCは、夏以降のリリース予定。

Polkadotは今年のQ4にリリースの予定で、インターオペラビリティ機能含めて一通りの機能をもったものが一括リリースされそうです。

 

 

・おしらせ
ビットコイン研究所の有料版サロンでは、平易な言葉で最近の技術や業界事情などについて解説するレポートを毎週配信しています。

暗号通貨について、もっと知りたい、勉強をしたいというかたに情報を提供しています。サロン内では疑問点も質問できます。

一度登録いただけると100本以上の過去レポートが読み放題で、大変お得です。レポート一覧がこちらのページありますので、よろしければいちど目をとおしてみてください。
(詳細情報)

Ledger Nano S - The secure hardware wallet