XRPを銀行が採用しない5つの理由

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RippleのXRPはIoVに必要なのか?

久しぶりに、よくまとまった記事を読んだ。いままでのrippleとXRPに関する議論がまとめられている。

これに書かれていることは的確だろし、論点もまとまっている。結局、XRPの議論は、つまるところ、銀行が採用するかどうかに尽きる。

Ripple社としては、

・rippleの完成形としてはXRP込のネットワークがベストで、それを社としてプロモーションしていきたい。

・ripple社としては、XRPを諦めたわけではない。採用してもらうよう頑張る。

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というのは当たり前だ。自社戦略としてはそうなって欲しいし、そういう図(上記)を発表するのも自由だ。

しかし、

・顧客(銀行)がそれを採用するか否かは、別の話である。

ripple社のお絵かきをもって銀行が採用すると未来を予測するのは楽観的すぎるだろう。私は銀行がXRPを採用しない5つの理由を述べる。長期的には、XRPに相当する別のものがつかわれるだろうと思う。

1)銀行は仮想通貨を扱えない。

銀行は法律上仮想通貨を扱えないことが多い。日本の法律もそうだ。仮想通貨はビットコインだけでなく、XRPも含まれる。つまり、XRPの保有、売買が、そもそも法律上できない。

2)コルレス銀行の問題より、先にやることがある

そもそもそれ以前に、基本的なブロックチェーンの実証などをやっている段階である。銀行は、ブロックチェーンに基本的なインフラコストの削減、業務コストの削減、監査の容易性などを求めているが、これは、XRPに踏み込まない段階でも、十分に効果がでるため、まずはここの分野を取り組めば十分で、まだそれすらできていないというか実験の段階だ

3)コルレス銀行は面倒な仕組みだが、XRPを持ち出すよりましだ。

コルレス銀行は面倒で、できれば辞めたいとおもっているのは本音だろうが、そのかわりにベンチャー企業が運営するXRPを使うのは更に悪い。自分たちのコントロール出来ない資産を基軸にするなど、狂気の沙汰だ。そんなものを使わなくても、ブロックチェーンの導入で業務効率が上がっているので、コルレス銀行モデルを効率よく運営することで、十分である。

4)長期的には、ボトムアップで別のXRP相当が発明される

とはいえ、更に効率を求め始めた時、XRP相当の資産が導入される将来が考えられるが、それは、1ベンチャー企業によるトップダウンではないだろう。銀行コンソーシアムが作った仮想通貨発行会社が、銀行から預託金を預かり、その保険が聞く範囲で裏付け資産のあるXRPのような中間通貨を発行して、それを使う。もしくは、どこかの巨大銀行が独自にXRPみたいなものを作って、その銀行がマーケットメイク業務を始めるかだろう。そういったものが幾つかできて、ボトムアップ的に使われていくだろう。もちろんXRPでマーケットメイクする業者も現れるだろうが、主流にならないだろう。

5)結論

銀行は、多くの人が思っているよりも、ずっとずっと保守的で、嫉妬深い。

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